米Array Biopharma 社の発表によると、4月3−7日に京都で開催された第14回国際骨髄腫ワークショップ(IMW2013)において、再発/再燃性多発性骨髄腫を対象に治験が進行中のKSP阻害剤ARRY-520の有望な臨床データが報告された。

 ARRY-520は、強力な選択的KSP(キネシススピンドル蛋白質)阻害剤。一般的な多発性骨髄腫治療薬とは異なる機序をもつ。KSP阻害剤は細胞分裂を阻止して増殖細胞に作用する薬剤で、一般の抗がん剤より毒性が低く、通常投与量であれば末梢神経障害や脱毛、重篤な消化管事象が発症しにくいことが報告されている。

 再発/再燃性多発性骨髄腫で2種類以上の治療を受けた患者を対象としたフェーズ1、2のARRAY-520単剤試験(ARRAY-520-212)で、全生存期間(OS)中央値は19カ月、全奏効率(ORR)は16%だった。この結果は、最近米国で承認されたcarfilzomibやpomalidomide単剤の成績と同等だという。

 特に、ARRAY-520の効果予測マーカーとみられる血漿中のα1酸性糖蛋白 (AAG)値による患者解析では、標準値の患者は、AAG高値の患者に比べ、OS中央値(20.2カ月 vs 4.5カ月)、無症候生存率(EFS)中央値(5.3カ月 vs 2.4カ月)およびORR(24% vs 0% )のいずれにおいても上回っていた。

 ARRY-520の主な有害事象は一過性の好中球減少症や血小板減少症であり、G-CSFなどにより予防的管理が可能だった。また、非血液性有害事象の発症割合も低く、治療関連の末梢神経障害は認められなかった。

 フェーズ1のARRAY-520-111試験では、同じく難治性の多発性骨髄腫患者に対して、ボルテゾミブ(商品名ベルケイド)とARRY-520との併用療法の安全性を検討した。

 その結果、ボルテゾミブとARRY-520併用療法の忍容性は良好だった。最も多くみられた有害事象は管理可能な好中球減少症で、グレード3/4の非血液毒性はまれだった。

 試験参加者はボルテゾミブ不応性となった患者が大半であったにもかかわらず、奏効および病勢安定となった患者が認められ、難治性多発性骨髄腫に対する同併用療法の効果が示唆された。

 現在、ARRY-520は難治性多発性骨髄腫を対象に他に3つの試験が行われている。