アネロファーマ・サイエンスは、3月28日、遺伝子組み換えビフィズス菌を用いた、固形癌対象のフェーズ1臨床試験を米国で開始したと発表した。

 同社が開発を進めている遺伝子組み換えビフィズス菌(開発コードはAPS001F)は、シトシンデアミナーゼという酵素を発現するよう操作したビフィズス菌。ビフィズス菌は、嫌気性細菌で、酸素のない環境で生育する。癌組織は正常組織とは異なり、酸素が少ない環境であることが知られており、嫌気性細菌が定着、増殖できると考えられている。

 このAPS001Fを静脈投与すると、全身の血管を巡るが、癌組織では酸素がないため定着、増殖する一方で、他の組織では酸素があるため生育できない。APS001Fを投与した後、抗真菌剤である5-フルオロシトシン(5-FC)を投与する。この5-FCがAPS001Fが定着している癌組織に到達すると、シトシンデアミナーゼによって抗癌剤である5-FUに変換され、抗腫瘍効果を発揮するというコンセプトだ。シトシンデアミナーゼはAPS001Fが定着している癌組織で発現しているため、癌組織における5-FU濃度は高まる一方で、体内の他の部位では5-FUには変換されないため副作用が少なくなると期待されている。

 これまで動物実験において、静脈投与したAPS001Fは、血中からは速やかに消失し、正常組織においても数日以内に検出されなくなることが確認されている。また、尿や便からAPS001Fは検出されないことも確認している。

 まず米国の1施設で試験を開始したが、今後、参加施設を増やしていく計画だ。なお、日本での臨床試験については現時点では未定となっている。