米Amgen社は3月19日、進行悪性黒色腫患者を対象としたランダム化フェーズ3試験で、同社の腫瘍溶解性免疫療法薬talimogene laherparepvec(略称T-Vec、別称Onco-Vex)が主要評価項目の持続的奏効率(DDR)において、対照群の顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)を有意に上回ったと発表した。

 Talimogene laherparepvecの安全性と有効性を評価するオープンラベル、国際フェーズ3試験(NCT00769704)には、切除不能のステージIIIB 、IIIC、IVの悪性黒色腫患者400人以上が参加し、talimogene laherparepvec群とGM-CSF 群の比較検討が行われた。

 患者は、28日を1サイクルとして、2週間ごとにtalimogene laherparepvecを直接病巣に注射する群と、最初の14日間にGM-CSFを皮下注射する群に2:1で割付けられた。治療は最長18カ月続けられ、奏効および安定が持続した患者では引き続き治療が可能とした。

 主要評価項目であるDRRは、完全奏効(CR)/部分奏効(PR)が6カ月以上持続した症例と定義した。Talimogene laherparepvec群のDRRは16%、GM-CSF 群では2%で、有意差が認められた。

 二次評価項目である全生存率(OS)においては事象観察(event-driven)としたが、計画された中間解析によると、talimogene laherparepvec群でGM-CSF群より良好な傾向がみられている。全生存率(OS)の最終データは2013年後半に明らかになる。

 Talimogene laherparepvec群で最も多くみられた有害事象は疲労、悪寒、発熱で、最も多かった重篤有害事象は病勢進行のほか蜂巣炎と発熱だった。

 Talimogene laherparepvecは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)を用いた腫瘍溶解性免疫療法薬。選択的に腫瘍細胞内で増殖する。直接腫瘍に注入すると、癌細胞の細胞膜が破裂するまで増殖を続けて癌細胞を破壊する。続いて、癌細胞中のウイルスが白血球刺激因子GM-CSFを伴って放出する仕組みで、結果として、全身の腫瘍特異的免疫反応を誘導する。

 ウイルスを用いた治療薬は未だ承認されておらず、初のフェーズ3試験の結果となる。NCT00769704試験の有効性・安全性の詳細は、2013年米国臨床腫瘍学会(ASCO)総会で報告される。