HER2陽性早期乳癌に対して、術前補助療法としてトラスツズマブ(H)、ドセタキセル(T)に加えてpertuzumab(P)を投与すると、長期間の観察でも症候性の左室収縮機能不全(sLVSD)の発生率は低いことが明らかとなった。2件のフェーズ2試験、NeoSphere試験とTRYPHAENA試験の長期観察の結果示されたもの。3月13日から16日に開催された13th St.Gallen International Breast Cancer Conference2013で、イタリアHospital San RaffaeleのL.Gianni氏によって発表された。

 NeoSphere試験は、417人を対象に術前療法としてT+Hを投与する群、T+Pを投与する群、H+Pを投与する群、T+Pを投与する群に分けて行われた。TRYPHAENA試験は、225人を対象に1サイクルは3週間として、1サイクル目から6サイクル目までPとHを投与され、1サイクル目から3サイクル目はFEC、4サイクル目から6サイクル目まではTを併用する群、1サイクル目から3サイクル目にFECを行い、4サイクル目から6サイクル目はPとH、Tを投与する群、1から6サイクルまで、P、H、T、カルボプラチンを投与する群に分けて行われた。術後1年間のトラスツズマブ投与を受けた。

 NeoSphere試験は417人中356人(85%)、TRYPHAENA試験は225人中186人(83%)が術後療法を完了した。今回の解析の段階で術後療法を受けている患者はいなかった。観察期間を含めた試験期間中央値はNeoSphere試験が33.9カ月(32.9-34.5)、TRYPHAENA試験が20.5カ月(19.9-20.8)だった。

 両試験を合わせてグレード3以上のsLVSDは、FEC→T+H+P群(75人)で術前療法中に2人、観察期間中に1人に発現、H+P群(108人)で術前療法中に1人、T+H+P+カルボプラチン群(76人)で術後療法中に1人で出現した。他の380人についてはどの段階でも出現しなかった。

 pCR率はNeoSphere試験で、T+H群が29.0%だったのに対してT+H+P群で45.8%と有意に高まった。TRYPHAENA試験では各群でそれぞれ高率(57-66%)だった。