スイスRoche社は、2013年3月5日、欧州医薬品庁(EMA)がpertuzumab(商品名「PERJETA」)を承認したと発表した。適応は、HER2陽性の、転移性、または局所再発し切除は不能の乳癌で、転移後に化学療法や抗HER2療法を受けたことの無い患者となっており、トラスツズマブ、ドセタキセルと併用される。

 今回の承認はフェーズ3 CLEOPATRA試験の結果に基づく。この二重盲検の無作為化試験は、世界の19カ国で、HER2陽性で転移性の乳癌または局所再発した切除不能の乳癌の患者808人を登録、pertuzumab+トラスツズマブ+ドセタキセル(402人)、もしくは偽薬+トラスツズマブ+ドセタキセル(406人)に割り付けたものだ。主要評価指標に設定された無増悪生存期間(PFS)は、独立した審査委員会の評価では、pertuzumab群が18.5カ月、偽薬群は12.4カ月で、ハザード比は0.62(p≦0.0001)になった。加えて、全生存期間のハザード比も0.66(p=0.0008)となり、有意な生存利益が示された。

 有害事象として多く見られたのは、下痢、脱毛、発熱性または非発熱性の白血球減少症、悪心、疲労感、発疹、末梢神経障害などで、2%超の患者が経験したグレード3-4の有害事象は、発熱性または非発熱性白血球減少、特定のタイプの白血球の減少、下痢、末梢神経障害、赤血球減少、脱力感および疲労だった。

 トラスツズマブとpertuzumabはいずれもHER2を標的とする抗体製剤だが、結合部位は全く異なるため、補完的な作用を持つと考えられている。pertuzumabは、細胞表面でのHER2とEGFR/HER1またはHER3もしくはHER4のヘテロ二量形成を特異的に阻害するよう設計されている。

 pertuzumabは2012年6月に米国で、同年8月にはスイスで、欧州と同様の適応症に対する承認を得ている。