中外製薬が開発を進めている経口PI3KクラスI阻害剤、CH5132799が進行固形癌に有用である可能性が明らかとなった。海外で行われたフェーズ1試験の最終結果が、3月4日から6日までパリで開催されているTargeted Anticancer Therapies(TAT2013)で英Guy's HospitalのAneta Suder氏によって報告され、忍容性と一部の患者で抗腫瘍効果が確認された。

 用量増多フェーズ1試験は、標準治療に適さなかったPS 0-2で期待生存期間が12週以上の進行固形癌患者を対象に行われた。患者には1回投与して1週間後から28日間を1サイクルとして毎日、1日1回または1日2回CH5132799の投与をPD(増悪)となるまで行った。用量制限毒性(DLT)は最初の投与から1サイクル終了までで評価された。

 CH5132799の投与量は、1日1回が2mg(3人)、4mg(3人)、8mg(3人)、16mg(3人)、32mg(4人)、56mg(3人)、96mg(4人)、1日2回投与が48mg(7人)、72mg(3人)、56mg(5人)だった。

 38人の患者背景は、年齢中央値が58.5歳(41-76)、女性が28人、PS 0が12人、PS 1が25人、PS 2が1人、既治療レジメン数中央値は3(1-20)だった。乳癌が10人、卵巣癌が6人、食道癌が4人、胃癌が2人、大腸癌が3人などだった。

 1日1回投与群ではDLTは認められなかった。1日2回投与群では48mg群で1件(グレード3の肝機能検査値上昇)、72mg群で評価可能な3人中2件(グレード3の倦怠感、グレード3の脳症)、56mg群で評価可能な3人中2件(グレード3の下痢など)のDLTが認められ、最大耐量は48mgとなった。

 12人の患者に20件のグレード3の治療関連副作用(下痢、吐気、腹痛、高血糖、粘膜炎症、倦怠感、頭痛、貧血)が認められ、1人ではグレード4の高血糖が発現した。全グレードで多いのは下痢、吐き気だった。

 抗腫瘍効果は、8人で16週以上の病勢安定(SD)が認められた。また1日あたりの投与量が96mgの17人中4人で、1サイクル目の8日時点でのPETスキャンで30%を超えるSUV(standard uptake value)の減少が認められた。1日2回48mgを投与されたPIK3CAに変異を持つ卵巣癌患者1人では、2サイクル1日目でPETスキャンで50%を超えるSUVの減少が認められ、CA-125の75%減少が認められた。PIK3CA野生型のトリプルネガティブ乳癌患者1人(1日2回72mg投与)で、3サイクル1日目で皮膚病変の明らかな改善が認められた。