PD-1(Programmed cell death 1)に関連した抗体製剤などの開発が活発化している状況が明らかとなった。腫瘍細胞に発現するPD-L1(programmed cell death 1 ligand-1)がT細胞上のPD-1受容体と結合すると、T細胞の活性が抑制されると考えられている。3月4日から6日までパリで開催されているTargeted Anticancer Therapies(TAT2013)では、各社の製剤が紹介された。

 PD-1受容体は、T細胞上にあってT細胞の活性化を抑制する機能を持っており、自己に対する免疫反応を抑制するなどの機能が明らかにされている。免疫反応が抑制される際には、PD-1受容体にリガンドであるPD-L1が結合することが示されている。

 一方、腫瘍細胞はPD-L1を発現し、PD-1受容体と結合することで免疫反応を抑制し、免疫反応から逃れられることが明らかになってきた。抗PD-1抗体はPD-1受容体に結合することで、腫瘍細胞が発現するPD-L1やPD-L2とPD-1受容体が結合するのを阻害し、その結果として腫瘍細胞への免疫反応が起こることが期待されている。

 スイスHoffmann-La Roche社は、PD-L1を標的とした抗体MPDL3280A(RG7446)の開発を進めている。現在フェーズ1a試験で用量増多試験を行うとともに、非小細胞肺癌、腎細胞癌、悪性黒色腫などの癌患者を対象にした投与が行われている。一部の患者では既に効果が確認されているものもある。

 米Merck社の抗PD-1抗体MK-3475は、ヒト化IgG4抗体で細胞傷害活性はなく、PD-1を競合的に阻害する。フェーズ1試験で固形癌を対象にしたパートAを終え、進行悪性黒色腫を対象にしたパートBが行われた。パートBは132人で有効性と安全性の評価が行われ、化学療法とMK-3475を比較する世界規模の試験が悪性黒色腫を対象に2012年11月に開始されている。

 米Bristol-Myers Squibb社(BMS社)は抗PD-1抗体nivolumab(BMS-936558)の開発を進めている。難治性の固形癌患者を対象にした単用量のフェーズ1試験で、忍容性と臨床効果が確認されている。難治性の固形癌を対象に用量増多フェーズ1試験が行われ、忍容性と抗腫瘍効果が悪性黒色腫、非小細胞肺癌、腎細胞癌で確認された。悪性黒色腫、非小細胞肺癌、腎細胞癌を対象にしたフェーズ3試験が始まっている。BMS社は抗PD-L1抗体BMS-936559のフェーズ1試験も行っている。

 英GlaxoSmithKline社は、PD-L2とFcの融合蛋白製剤AMP-224のフェーズ1試験を進めている。シクロホスファミドの併用で効果が高まることが確認され、併用のフェーズ1試験が行われている。

 このほか米CureTech社が抗PD-1抗体CT-011のフェーズ2試験を進めている。