未治療の膠芽腫のうち、MGMT遺伝子プロモーター領域にメチル化を有する患者に対するcilengitideのフェーズ3試験の結果、標準治療のテモゾロミド/放射線療法にcilengitideを加えても生存期間の有意な延長には至らなかったことが示された。2月25日、独Merck社の子会社である米EMD Serono社が発表した。

 CENTRIC試験は、非盲検、多施設ランダム化フェーズ3試験で、European Organization for Research and Treatment of Cancer(EORTC)と共同で計画され、世界23カ国から500人以上の患者が参加して行われた。

 試験では、コンパニオン診断検査PredictMDx for Glioblastomaを用いて、MGMT(O6-methylguanine DNA-methyltransferase)遺伝子のプロモーター領域におけるメチル化の有無を判定し、メチル化陽性の患者のみをCENTRIC試験に登録した。

 MGMTは細胞のDNA修復に関与すると考えられており、MGMT遺伝子プロモーターは膠芽腫に関連の深い分子マーカーだ。MGMT遺伝子プロモーターにおけるメチル化の有無により、未治療の膠芽腫患者でテモゾロミドの効果が予測できる可能性も最近の報告で示唆されている。

 CENTRIC試験の患者は、テモゾロミド/放射線療法による化学放射線療法(CRT)群と、CRTにcilengitideを追加する群に割付けられた。

 試験の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)の改善には至らなかった。独立データモニタリング委員会によると、これまでの試験で最も多かった有害事象は吐気と疲労で、そのほかに新たな有害事象はみられなかった。

 一方、MGMT遺伝子プロモーターのメチル化が陰性の未治療の膠芽腫患者に対しては、非盲検、ランダム化フェーズ2のCORE試験が現在進行中で、その他の癌種では非小細胞肺癌(NSCLC)の扁平上皮癌を対象としたフェーズ1/2臨床試験も実施されている。

 Cilengetide は、細胞外マトリックスの受容体であるインテグリン阻害剤。細胞の微小環境において腫瘍の血管新生や増殖に関わる。

 CENTRIC試験結果の詳細は、2013年米国臨床腫瘍学会(ASCO)総会およびピアレビュー医学誌にて発表予定。