大鵬薬品工業は、2月26日、新規経口ヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤TAS-102を治癒切除不能な進行・再発大腸癌を対象に申請したと発表した。

 TAS-102は、DNAへ効率的に取り込まれることで癌細胞の増殖に必要な様々なDNA機能を抑制するヌクレオシド系のトリフルリジン(FTD)と、FTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼを阻害しFTDの有効血中濃度を維持するチピラシル塩酸塩(TPI)を配合した製剤。

 今回の承認申請は、日本の20施設で行われたフェーズ2試験(10040030試験)の結果に基づいたもの。標準化学療法が不応な患者で効果を示したなどの理由から、フェーズ2での申請となった。

 10040030試験は、フッ化ピリミジン系薬剤、イリノテカンおよびオキサリプラチンを含む2レジメン以上の標準化学療法に不応となった治癒切除不能な進行再発大腸癌患者を対象に実施された、プラセボ対照の二重盲検ランダム化比較試験。2009年8月から2010年4月の間に172人が登録された。患者はTAS-102投与群(114人)とプラセボ投与群(58に)にランダムに割り付けられ、主要評価項目は全生存期間だった。この試験の結果、TAS-102投与群はプラセボ投与群に比べ全生存期間で有意に延長し(全生存期間中央値:9.0カ月対6.6カ月)、死亡のリスクを有意に減少した(ハザード比は0.56、p=0.0011)。

 最も高頻度に認められたグレード3以上の副作用は好中球減少で、下痢や倦怠感、悪心などは10%以下だった。

 現在、TAS-102はグローバル開発を目的に、進行再発大腸癌患者を対象とした国際共同フェーズ3試験RECOURSEを実施している。RECOURSE試験は無作為割付・二重盲検・プラセボ対照の国際共同試験で、日本の他、北米、欧州、オーストラリアから800人の患者登録が予定され、2012年6月より既に登録が開始されている。RECOURSE試験の対象は標準化学療法(フッ化ピリミジン系薬剤、イリノテカン、オキサリプラチン、ベバシズマブ、KRAS遺伝子に変異のない野生型の場合では抗EGFRモノクローナル抗体)に不応となった治癒切除不能な進行再発大腸癌患者。患者はTAS-102投与群とプラセボ投与群にランダムに割り付けられる。主要評価項目は全生存期間。