厚生労働省の先進医療会議は2月14日、千葉大学医学部附属病院から申請のあった「千葉頭頸部NKT療法」を先進医療Bとして実施することを了承した。先進医療として実際に治療に用いられるとともに、今後7年間の治療成績をもとにより詳細に有効性を検討した結果を踏まえ、保険収載の必要性が検討されることになる。

 この技術については、今年1月に開催された高度医療評価会議において安全性と有効性を検討した結果、「適」として了承されていた。従来の高度医療は昨年、先進医療と一本化され、「先進医療B」として扱われている。先進医療Bは「未承認、適応外の医薬品、医療機器の使用を伴う技術」として実際に患者の治療に用いられるが、一方で臨床試験としてさらに有効性を検討するもの。

 NKT療法は、患者の血液中の樹状細胞にαガラクトシルセラミドを加えたαガラクトシルセラミドパルス樹状細胞を作製し、その樹状細胞を投与することで、体内でNKT細胞を活性化するものだ。治療に係る一連の費用は36万5000円となった。実施できるのは3月の見通しだ。

 これまでの臨床試験結果から、頭頸部の再発癌患者に対してαガラクトシルセラミドパルス樹状細胞を投与することで腫瘍縮小効果(9例中1例)が確認されていた。また、頭頸部扁平上皮癌の再発かつ手術不能患者に対し、末梢血単核球から増殖・活性化したNKT細胞を腫瘍栄養動脈内投与するのに加え、αガラクトシルセラミドパルス樹状細胞を鼻粘膜から投与したフェーズ1・2試験では、全身性の免疫応答が誘導されたほか、8例中3例で部分奏功(PR)が見られた。

 そこで今回、進行頭頸部癌を対象に、標準治療後の再発・遠隔転移を抑制するためのアジュバント療法として認められた。

 今後、より詳細に有効性を検討するため、臨床試験を行うが、その対象となるのは、標準治療を終了し、完全奏功(CR)となった進行期頭頸部扁平上皮癌。アジュバント療法としてαガラクトシルセラミドパルス樹状細胞を投与した際の有効性について、無処理の樹状細胞を投与した群と比べることで検討する。

 主要評価項目は無再発生存期間。副次評価項目は2年無再発生存期間、2年全生存期間、末梢血NKT細胞特異免疫反応評価、有害事象と重篤度。予定試験期間は7年間(登録期間が5年間、追跡期間が2年間)で、症例数は66例を予定している。治療スケジュールは、day0に静脈血採血を行い、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)とインターロイキン(IL)-2存在下で末梢血単核球を培養する。その後、day7、10にαガラクトシルセラミドパルス樹状細胞または非処理樹状細胞を鼻粘膜から投与する。day7、10、21に末梢血採血を行い、免疫学的反応を調べる。