中外製薬は2月7日、抗悪性腫瘍剤トラスツズマブ(製品名:ハーセプチン)について、「HER2過剰発現が確認された乳癌における術後補助化学療法としての1週間間隔投与」の用法・用量追加の公知申請を、厚生労働省に行ったと発表した。

 トラスツズマブは、すでに「HER2過剰発現が確認された乳癌」「HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌」の効能・効果で承認されている。術後補助化学療法については、トラスツズマブを3週間間隔で投与することが可能だった。

 今回の公知申請にあたっては、2012年12月26日に開催された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、公知申請に該当と評価された。その後、2013年1月に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において、公知申請して差し支えないと決定された。

 今回の公知申請のもととなったデータは、NCCTG(North Central Cancer Treatment Group)-N9831試験、NSABP(National Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project)-B31試験、BCIRG006試験の3つ。NCCTG-N9831試験とNSABP-B31試験の統合解析結果については、昨年12月に開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)で報告されており、HER2陽性乳癌患者に対し、術後補助化学療法としてトラスツズマブを追加投与した群の10年間の無病生存率と全生存率は、追加投与していない群と比べ、有意に上昇したことが報告された。

 公知申請が認められた場合の投与期間については、「HERA試験などの結果から、1年間の投与が適切であることをお伝えすることになる」(同社)としている。HERA試験は、昨年9月に開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表されており、HER2陽性の早期乳癌患者へのトラスツズマブ術後補助化学療法において、8年間の追跡の結果、1年投与群と2年投与群の無病生存期間(DFS)中央値に有意差がなかったことが報告されていた。