標準的治療後に進行した転移性大腸癌患者において、経口マルチキナーゼ阻害剤regorafenibの有害事象の発生は1サイクル目で最も多く、2サイクル目以降は次第に少なくなることが、無作為化フェーズ3試験CORRECTにおける安全性のサブ解析で明らかになった。また患者の大半は有害事象の管理のため用量調整が必要であった。1月24日から26日に米サンフランシスコで開催された2013 GASTROINTESTINAL CANCERS SYMPOSIUM(ASCO GI)で、米国Mayo ClinicのAxel Grothey氏らが発表した。

 CORRECT試験では、標準的治療後に進行した転移性大腸癌患者760人を対象に、regorafenib(160mg/日)もしくはプラセボを3週投与1週休薬のスケジュールで投与し、病勢進行、死亡もしくは認容できない毒性の発生まで継続した。この結果、regorafenibはプラセボに比べ、全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)を有意に延長させることが報告された。

 米国では2012年9月に、フッ化ピリミジン系抗癌剤やオキサリプラチン、イリノテカンベースの化学療法、抗VEGF療法、およびKRAS野生型では抗EGFR療法による前治療歴がある転移性大腸癌を適応症として、regorafenibが承認されている。

 今回の安全性解析は、薬剤関連有害事象の経時的変化を検討するために行われた。解析対象は753人(regorafenib群が500人、プラセボ群が253人)。

 治療期間の平均はregorafenib群で12.1週、プラセボ群で7.8週で、中央値はそれぞれ7.3週、7.0週だった。用量調整はregorafenib群で75.6%、プラセボ群で38.3%に行われ、有害事象による用量調整はregorafenib群で66.6%、プラセボ群で22.5%。有害事象による治療中止はregorafenib群で17.6%、プラセボ群で12.6%だった。

 有害事象はregorafenib群で99.6%、プラセボ群で96.8%に見られ、グレード3はそれぞれ56%、26.5%、グレード4/5は22%、22.5%であった。regorafenib群の主な有害事象は、疲労(全グレードで47.4%)、手足皮膚反応(46.6%)、下痢(33.8%)、食欲不振(30.4%)、声変化(29.4%)、高血圧(27.8%)、口内炎(27.2%)、皮疹・落屑(26%)だった。主なグレード3以上の有害事象も、手足皮膚反応、疲労、下痢、高血圧、皮疹・落屑であった。

 全グレードの有害事象を経時的に見ると、手足皮膚反応や疲労の発生率は1サイクル目で最も高く、それぞれ32%、45%だった。2-6サイクル目では減少するが一定の頻度で見られ、7-8サイクル目ではさらに減少した。高血圧と皮疹・落屑の発生率も1サイクル目で最も高く、それぞれ21%、24%であり、2サイクル目以降は顕著に減少した。下痢は1サイクル目で23%に見られ、1-6サイクルの間は一定の頻度で発生し、7-8サイクルでは減少していた。

 グレード別でも、有害事象の発生は1サイクルで最も多いが、2サイクル目以降は減少しており、regorafenibに蓄積性の毒性は見られなかった。

 またregorafenibの用量強度も1サイクル目で最も高く、2-3サイクル目でやや減少し、それ以降の3-8サイクルの間は比較的安定していた。

 以上の結果から、「有害事象の綿密なモニタリング、特に治療開始時期の経過観察は、用量調整など迅速な対応を可能にし、さらに治療を継続させることでregorafenibによる最大限の有益性を得ることができる」とまとめた。