切除不能な転移を有する大腸癌(mCRC)患者のファーストライン治療として、FOLFOXIRIベバシズマブは、主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)でFOLFIRI+ベバシズマブに優越性を示し、薬剤に特異的な副作用がやや増加したものの、全体的な安全性プロファイルは受容可能であることが、フェーズ3のTRIBE試験から示された。1月24日から26日まで米サンフランシスコで開催された2013 Gastrointestinal Cancer Symposium 2013(ASCO GI)で、イタリアAzienda Ospedaliero-Universitaria Pisana, Institute Toscano TumoriのFotios Loupakis氏が発表した。

 ファーストライン治療としてのFOLFOXIRIは、FOLFIRIと比べて奏効率、PFS、全生存期間(OS)が上回ることが過去のフェーズ3試験で示されている。またフェーズ2試験では、FOLFOXIRI+ベバシズマブの有望な結果と安全性が得られている。
 
 そのためLoupakis氏らはフェーズ3試験において、切除不能なmCRCに対するファーストライン治療として、FOLFOXIRI+ベバシズマブをFOLFIRI+ベバシズマブと比較し、優越性を確認した。
 
 患者をFOLFOXIRI+ベバシズマブ群またはFOLFIRI+ベバシズマブ群に、1対1でランダムに割り付けた。FOLFOXIRI+ベバシズマブ群では、イリノテカン165mg/m2、オキサリプラチン85mg/m2、l-ロイコボリン200mg/m2を1日目に、5-FU 3200mg/m2を1-3日目に(48時間)かけて投与し、ベバシズマブ5mg/kgは1日目に投与した。FOLFIRI+ベバシズマブ群では、イリノテカン180mg/m2、l-ロイコボリン200mg/m2を1日目に、5-FU 400mg/m2を1日目にボーラス投与、5-FU 2400mg/m2を1-3日目にかけて投与した。どちらの治療も2週毎に繰り返し、最大12サイクルまで行い、その後は進行(PD)まで5-FUとベバシズマブを投与した。
 
 同試験の主要評価項目はPFS、副次的評価項目は奏効率、副次的なR0率、OS、安全性、バイオマーカーの評価だった。適格基準は、組織学的に腺癌と確認された切除不能なmCRCで、転移に対する治療は受けておらず、18-75歳とした。ECOG PSは2以下、オキサリプラチンを含む術後化学療法は、治療終了から初回再発までに12カ月を超えて経過していれば可とした。
 
 2008年7月から2011年5月までに508人が登録され、FOLFOXIRI+ベバシズマブ群252人(男性60%、年齢中央値61歳)、FOLFORI+ベバシズマブ群256人(同61%、60歳)となった。FOLFOXIRI+ベバシズマブ群とFOLFIRI群において、ECOG PSが0の患者の割合はそれぞれ90%と89%、同時性転移を有する患者は79%と81%、転移部位が2個以上の患者は69%と76%だった。
 
 追跡期間中央値は26.6カ月で、主要評価項目のPFSはFOLFOXIRI+ベバシズマブ群12.2カ月、FOLFIRI+ベバシズマブ群9.7カ月、未調整ハザード比は0.73(0.60-0.88)となり、有意にFOLFOXIRI+ベバシズマブ群で改善した(p=0.0012)。2年時のPFS率は、それぞれ20.3%と11.4%だった。FOLFOXIRI+ベバシズマブの有用性は、解析したすべてのサブグループでも示された。
 
 奏効率は、FOLFOXIRI+ベバシズマブ群65%(完全奏効[CR]4%、部分奏効[PR]61%)、FOLFIRI+ベバシズマブ群53%(CR3%、PR50%)だった(p=0.006)。
 
 重篤な有害事象は、FOLFOXIRI+ベバシズマブ群20.4%、FOLFIRI+ベバシズマブ群19.7%に発現し、治療関連死はそれぞれ2.4%と1.6%で差はなかった。両群間で有意差を認めたグレード3以上の有害事象は、下痢(FOLFOXIRI+ベバシズマブ群19%、FOLFIRI+ベバシズマブ群11%)、口内炎(9%、4%)、好中球減少(50%、20%)、神経毒性(5%、0%)だった(それぞれp=0.012、p=0.048、p<0.001、p<0.001)。発熱性好中球減少はそれぞれ9%と6%で差はなかった(p=0.315)。
 
 Loupakis氏は「今回の結果から、FOLFOXIRI+ベバシズマブは本試験の適格基準を満たすmCRC患者に対し、新たな治療選択肢となることが示された」と結論した。
 
 同試験の副次的な切除、PDとなった後の治療、OSなどについては、現在解析が進められている。