切除不能進行大腸癌のファーストライン治療として、カペシタビン+オキサリプラチン(XELOX)とベバシズマブの併用は実地臨床においても有効で、安全に施行可能であることがKSCC0902試験の結果から示された。1月24日から26日までサンフランシスコで開催された2013 GASTROINTESTINAL CANCERS SYMPOSIUM(ASCO GI)で、九州消化器癌化学療法研究会(KSCC)を代表して、社会保険田川病院(福岡県田川市)外科の竹内正昭氏が発表した。

 XELOXとベバシズマブの併用は、切除不能進行大腸癌の標準治療の1つとなっている。ただし、このXELOX+ベバシズマブの実地臨床における治療成績は示されていない。そこでKSCCでは、日本人の切除不能進行大腸癌に対するXELOX+ベバシズマブの実地臨床での有効性と安全性を検討するため、前向き試験KSCC0902を開始した。

 2010年3月から2011年3月までにKSCCに参加している施設を受診した患者を登録し、36カ月間フォローした。主要評価項目は奏効率で、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性とした。

 治療スケジュールは、ベバシズマブ(7.5mg/kg)、オキサリプラチン(130mg/m2)を1日目に、カペシタビン(1000mg/m2)を1〜14日目に投与する3週間を1サイクルとした。

 対象患者47例の背景は、男性63.8%、年齢中央値69歳、75歳以上が21.3%、70歳以上75歳未満が21.3%、70歳未満が57.4%だった。

 評価可能な46例の追跡の結果、完全奏効(CR)は1例(2.2%)、部分奏効(PR)は23例(50.0%)、病勢安定(SD)は15例(32.6%)で、奏効率は52.2%だった。

 PFS中央値は10.0カ月(95%信頼区間:7.8-13.8)、OSは未到達(同:19.9-)だった。

 血液学的毒性のうち、グレード3/4だったのは、白血球減少2例(4.3%)、好中球減少5例(11%)、血小板減少2例(4.3%)、貧血3例(6.4%)。非血液学的毒性でグレード3/4が認められたのは発熱性好中球減少1例(2.1%)、疲労4例(8.5%)、悪心1例(2.1%)、食欲不振6例(13%)、手足症候群1例(2.1%)、口内炎1例(2.1%)、総ビリルビン値上昇1例(2.1%)、AST上昇11例(23%)、ALT上昇10例(21%)、ALP異常1例(45例中、2.2%)、クレアチニン値異常1例(2.1%)だった。

 ベバシズマブに関連した毒性のうち、グレード3以上のものは、グレード3の高血圧2例(4.3%)、グレード4の血栓性イベント1例(2.1%)、グレード3の消化管出血1例(2.1%)だった。

 治療中止理由では、病勢進行が7例(14.9%)、有害事象により治療継続ができなくなったのが15例(31.9%)、毒性以外の患者都合による中止が3例(6.4%)、その他が21例(44.7%)だった。

 XELOX+ベバシズマブ治療後の治療の内訳は、手術が19例(40.4%)、放射線照射4例(8.5%)、化学療法37例(78.7%)、緩和治療7例(14.9%)で、セカンドライン化学療法の内訳は、FOLFIRI+ベバシズマブ32%、5-FU単独が19%、FOLFOX+ベバシズマブ19%、FOLFIRIが11%、5-FU+ベバシズマブが5%、FOLFOXが5%などだった。

 年齢別に効果の検討を行った結果、70歳以上(19例)の奏効率は42.1%、70歳未満(27例)は59.3%で、統計学的に有意な差ではなかった。PFSについては70歳以上で9.7カ月、70歳未満で13.8カ月で、こちらも統計学的に有意な差ではなかった。

 年齢別に安全性の検討も行ったが、70歳以上と70歳未満の間で差は認められなかった。

 これらの結果から、高齢者を含む切除不能進行大腸癌に対するXELOX+ベバシズマブは、実地臨床においても忍容性があり、有効であることが示された。