転移を有する大腸癌(mCRC)で70歳以上の患者を対象として、生物学的製剤の使用を前向きに評価した初のフェーズ3試験(AVEX試験)から、カペシタビンベバシズマブの併用により、無増悪生存期間(PFS)と奏効率が有意に改善し、忍容性は良好であることが示された。1月24日から26日まで米サンフランシスコで開催された2013 Gastrointestinal Cancer Symposium 2013(ASCO GI)で、英国Royal Marsden HospitalのDavid Cunningham氏が発表した。

 mCRCと診断される患者の多くは高齢者であるが、一般的に高齢者には十分な治療が行われず、臨床試験の対象からも除外されることが多い。

 AVEX試験は国際的な多施設共同、非盲検のランダム化試験で、mCRCで治療歴がない70歳以上の患者を対象とし、カペシタビン+ベバシズマブ(併用群)とカペシタビン単剤(単剤群)の有効性と安全性を比較した。

 対象として、組み入れ前に術後補助化学療法から6カ月を超えて経過している場合は可とし、イリノテカンまたはオキサリプラチンによる併用化学療法の適切な候補とならない患者とした。

 治療は21日を1サイクルとし、単剤群ではカペシタビン1000mg/m2を1日2回、1日目から14日目まで投与し、併用群ではカペシタビンを単剤群と同量で投与するとともに、ベバシズマブ7.5mg/kgを1日目に投与した。治療は、進行または受容不能な毒性の発現まで継続した。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次的評価項目は奏効率、全生存期間(OS)、安全性などだった。

 2007年7月から2010年12月までに、10カ国から280人が登録され、単剤群または併用群に1対1にランダムに割り付けられた。ITT解析対象は各群140人、安全性解析対象は、併用群134人、単剤群136人となった。

 併用群と単剤群の患者背景はバランスがとれており、年齢中央値はそれぞれ76歳と77歳、両群ともに75歳以上の患者が60%を超えていた。女性の割合は両群で40.0%だった。ECOG PSが0の患者の割合は、併用群50.0%、単剤群42.9%、1の患者はそれぞれ41.4%と47.9%だった。外科的切除を受けた患者は併用群73.6%、単剤群63.6%、術後補助療法を受けた患者はそれぞれ32.1%と18.6%だった。

 追跡期間中央値は併用群24.8カ月、単剤群21.6カ月だった。主要評価項目のPFSは併用群で有意に改善し、中央値は併用群9.1カ月、単剤群5.1カ月、ハザード比0.53(95%信頼区間:0.41-0.69)となった(p<0.001)。サブグループ解析でも、ベバシズマブの追加はPFSに有用性を示した。

 OS中央値は、併用群20.7カ月、単剤群16.8カ月となり、併用群で延長したが、有意差はみられなかった(ハザード比0.79、p=0.182)。

 後治療は両群ともに37.1%の患者が受け、使用された薬剤は両群ともに5FUが最も多く、約10%だった。併用群の5.7%にベバシズマブが再度投与された。

 奏効率は、併用群19.3%(完全奏効[CR]2.1%、部分奏効[PR]17.1%)、単剤群10.0%(CR1.4%、PR8.6%)で、併用群で有意に上昇した(p=0.042)。病勢コントロール率(DCR)はそれぞれ74.3%と57.9%だった(p=0.005)。

 有害事象は併用群の95.5%、単剤群の95.6%、重篤な有害事象はそれぞれ30.6%と32.4%に発現した。安全性プロファイルは、mCRCに対するベバシズマブの過去の報告と一致した。投与の中断または修正を要した有害事象は、併用群54.5%、単剤群43.3%、投与中止を要した有害事象はそれぞれ25.4%と14.0%に発現した。

 ベバシズマブに関する有害事象として、出血(全グレード、併用群25.4%、単剤群6.6%)、静脈血栓塞栓症事象(11.9%、5.1%)、蛋白尿(7.5%、0.7%)などが発現した。また併用群では、手足症候群(全グレード、40.3%)、下痢(40.3%)なども多く観察された。