局所進行食道癌に対するパクリタキセルベースの導入化学療法と同時化学放射線療法への選択的手術の追加は有効であることが、フェーズ2試験であるRTOG0246の長期追跡結果から示された。1月24日からサンフランシスコで開催された2013 GASTROINTESTINAL CANCERS SYMPOSIUM(ASCO GI)で、米University of Texas M.D. Anderson Cancer CenterのStephan Swisher氏が発表した。

 局所進行食道癌に対する50.4Gyの同時化学放射線療法の効果は腺癌で低く、5年生存率は13%で、局所制御不能率も高いことが示されている。また、導入化学療法+64.8Gyの同時化学放射線療法の効果は治療関連の毒性発現率が高まり、局所制御不能率も高いままだった。

 そこで同グループは、パクリタキセルベースの導入化学療法と50.4Gyの同時化学放射線療法に選択的手術を追加したときの効果を評価するためRTOG0246試験を実施し、臓器保持は実現可能性があり、腺癌で有効で、1年生存率は71%であることをこれまでに報告している。

 今回、Swisher氏は、このRTOG0246試験の長期追跡結果について報告した。

 RTOG0246試験のデザインは、遠隔転移のない局所進行の食道癌・胃食道接合部癌を対象に、5-FU、シスプラチン、パクリタキセルによる導入化学療法を行い、次に5-FU、シスプラチンと50.4Gyによる同時化学放射線療法を行う。その後、局所再発が見られた場合、手術を行うというもの。

 対象となった41例の患者背景は、59歳(中央値)、男性83%、扁平上皮癌27%、腺癌73%、TステージはT1/2が24%、T3/4が76%、NステージはN0が29%、N1が71%だった。

 全対象者のフォローアップ期間(中央値)は2.2年、生存者14例でのフォローアップ期間中央値は6.7年だった。

 治療関連死は、導入化学療法(41例)の段階において、肺炎で1例、多臓器不全で1例。同時化学放射線療法(37例)の段階では肺炎で1例、手術を受けた21例では食道漏出で1例が認められ、計9.8%だった。

 導入化学療法後に同時化学放射線療法を行った段階での臨床的完全奏効率(cCR)は37%(41例中15例)で、5年生存率は53%。15例中5例は手術なしで生存しており、2例は手術を受けて生存していた。

 一方、CRが得られなかった患者は41例中21例(51%)で、5年生存率は33%。non-CRで手術を受けた患者は21例中17例、non-CRで転移が見られたのは3例、non-CRで手術不能だったのは1例だった。

 手術を施行した理由は、癌の残存が17例で、食道切除術が行われた。同時化学放射線療法から1.1〜3.9カ月後に施行した。また、患者の希望で1例に手術が行われており、同時化学放射線療法から1.5カ月後だった。再発に対する手術も3例に行われており、同時化学放射線療法から5.3、6.2、14.9カ月後だった。

 全41例の予後を解析した結果、1年生存率は71%、2年生存率が51%、3年生存率が44%、4年生存率は37%、5年生存率は37%、6年生存率は34%で、生存期間中央値は26カ月だった。

 同時化学放射線療法によりcCRが得られた患者15例の予後を検討した結果、1年生存率93%、2年生存率73%、3年生存率67%、4年生存率53%、5年生存率53%、6年生存率46%で、生存期間中央値は66カ月だった。

 cCRが得られたグループ、cCRが得られなかったグループ、cCRが得られず手術を施行したグループと分けて生存期間中央値を比較した結果、それぞれ66カ月、15カ月、36カ月となった。

 これらの結果からSwisher氏は、パクリタキセルベースの導入化学療法後の同時化学放射線療法は実行可能で、治療関連死は9.8%であること、選択的手術施行は有効で、49%は臓器保持が可能だったとした。また、5年生存率は37%だが、同時化学放射線療法でCRが得られれば53%で、CRが得られなくても手術を行えば5年生存率は41%となったとまとめた。