進行肝細胞癌(HCC)患者に対し、cMet/Eph受容体標的マルチキナーゼ阻害剤のE7050golvatinib)とソラフェニブの併用療法による毒性は管理可能であることが、現在進行中の非盲検、多施設共同、フェーズ1b/2のランダム化試験のフェーズ1bの部分から示された。1月24日から26日まで米サンフランシスコで開催された2013 Gastrointestinal Cancer Symposium 2013(ASCO GI)で、米国University of North CarolinaのBert H. O’Neil氏が発表した。

 同試験の目的は、HCC患者に対するファーストライン治療としてソラフェニブとE7050を併用し、フェーズ2試験に推奨する最大耐用量(MTD)を決定し、薬物動態(PK)の特徴を明らかにすることだった。今回はフェーズ1b/2試験のフェーズ1bの部分からデータが発表された。

 対象は、切除不能な局所進行または転移を有するHCCで、Child Pugh分類のAまたはBで7点までの患者。フェーズ1bの部分では、ソラフェニブによる治療歴があっても可とし、E7050とその誘導体による治療歴はなく、前治療は2レジメン以下であることとした。

 この試験では3+3デザインを用いて、ソラフェニブと併用するE7050のMTDを決定した。1サイクルを28日として、ソラフェニブは400mgを1日2回、毎日投与し、 E7050は予定された用量(コホート1:200mg、コホート2:300mg、コホート3:400mg)を1日1回、毎日経口投与した。用量制限毒性(DLT)の評価は最初の28日間で行うこととした。治療は進行または管理不能な毒性の発現まで継続した。PKの解析のため、E7050とソラフェニブの併用療法の開始7日前にE7050を単回投与した。

 コホート1に7人(男性86%、平均年齢52.9歳)、コホート2に7人(同71%、68.1歳)が割り付けられた。Child Pugh分類でAだったのは、コホート1では全例、コホート2では6人だった。ソラフェニブによる治療歴がある患者は、それぞれ43%と57%だった。

 DLTを1回以上認めたのは、コホート1では1人で、グレード3のビリルビン値とAST値の上昇だった。コホート2では2人で、1人はグレード3のAST値上昇とグレード2のALT値上昇、もう1人はグレード3の悪心・嘔吐とグレード2のクレアチニン値上昇と疲労感が認められた。

 投与されたサイクル数の中央値は、コホート1で3、コホート2で6、合計のサイクル数はそれぞれ30と34となった。両コホートとも、全例でE7050の投与の中断があり、29%は有害事象のため投与を中止した。E7050とソラフェニブが減量された症例は、コホート1と比べてコホート2で多く、E7050はそれぞれ1人と4人、ソラフェニブは5人と7人だった。

 有害事象では消化器症状が多く発現し、グレード3以上の悪心はコホート1で14%、コホート2で29%、下痢はそれぞれ0%と43%、腹痛はいずれも14%だった。

 MTDはE7050 200mgの1日1回投与とソラフェニブ400mgの1日2回投与の併用とし、フェーズ2のレジメンとすることとした。

 PKについては、薬剤の相互作用の存在は考えにくいことが示唆された。E7050の単回投与のデータはソラフェニブを併用した場合と同様で、併用療法におけるE7050のPKのデータは他の試験のE7050単剤療法のデータと一致していた。ソラフェニブのPKデータも既発表データと一致していた。

 部分奏効(PR)は2人、継続的な安定状態(SD)は6人で得られ、このうちSDの3人は治療を継続中である。

 O’Neil氏は「今回観察されたPRとSDについては、現在患者登録が進行中のフェーズ2の部分で評価を継続する」としている。