転移を有する膵腺癌にnab-パクリタキセル(アルブミン結合パクリタキセル)とゲムシタビンを併用投与すると、ゲムシタビン単剤投与に比べて高い効果を発揮することが明らかとなった。国際無作為化フェーズ3試験MPACTの結果、全生存期間(OS)などの有意な延長効果が示されたもの。1月24日から米サンフランシスコで開催されたGASTROINTESTINAL CANCERS SYMPOSIUM(ASCO GI)で米Virginia G. Piper Cancer Center at Scottsdale Healthcare/TGenのDaniel D. Von Hoff氏によって発表さ、れた。

 MPACT試験は転移を有する膵腺癌患者を無作為にnab-パクリタキセルとゲムシタビン併用群(4週間おきにnab-パクリタキセル125mg/m2とゲムシタビン1000mg/m2を1日目、8日目、15日目に投与)とゲムシタビン単剤群(1サイクル目は7週間毎週ゲムシタビン1000mg/m2を投与し、2サイクル目以降は4週間おきにゲムシタビン1000mg/m2を1日目、8日目、15日目に投与)に割り付けて行われた。主要評価項目はOSだった。

 試験では861人の患者が投薬を受けた。併用群(431人)と単剤群(430人)の患者背景に大きな差はなかった。全体で年齢中央値は63.0歳。Karnofsky performance statusは90から100が60%で80以下は40%だった。43%の患者は膵頭部に病巣があり、84%の患者に肝転移、39%の患者に肺転移があった。試験の結果、研究グループによる解析で、OS、無増悪生存期間(PFS)、奏効率のいずれも併用群が単剤群に比べて有意に良かった。

 OS中央値は併用群が8.5カ月(95%信頼区間:7.89-9.53)、単剤群が6.7カ月(同:6.01-7.23)で、ハザード比0.72(同:0.617-0.835)、p=0.000015だった。1年生存率は併用群が35%、単剤群が22%、p=0.000200、2年生存率は併用群が9%、単剤群が4%、p=0.02123だった。

 PFS中央値は併用群が5.5カ月(95%信頼区間:4.47-5.95)、単剤群が3.7カ月(同:3.61-4.04)で、ハザード比0.69(同:0.581-0.821)、p=0.000024。独立委員会による評価での奏効率は併用群が23%(同:19.1-27.2)、単剤群が7%(同:5.0-10.1)だった(p=1.1×10−10)。

 多く見られたグレード3以上の副作用は、好中球減少症(併用群38%、単剤群27%)、倦怠感(併用群17%、単剤群7%)、末梢神経障害(併用群17%、単剤群1%未満)だった。発熱性好中球減少症が併用群に3%、単剤群の1%で認められた。