肝細胞癌で増加するグリピカン3(GPC3)を標的とした抗体製剤GC33が、日本人の進行肝細胞癌患者に有望である可能性が明らかとなった。フェーズ1試験で設定された全用量で忍容性が確認され、一部の患者で抗腫瘍効果が認められた。成果は1月24日から26日に米サンフランシスコで開催されている2013 GASTROINTESTINAL CANCERS SYMPOSIUM(ASCO GI)で、国立がん研究センター中央病院の奥坂拓志氏によって発表された。

 フェーズ1試験は用量増多試験として実施された。GC33を毎週投与し、28日を1サイクルとした。1サイクル目を用量制限毒性(DLT)評価期間とした。全部で13人が投薬を受けたが、1人がDLT評価期間中に病勢進行したため、DLTの評価は12人で行われた。患者はGC33の投与量に応じて、5mg/kg群(4人)、10mg/kg群(3人)、20mg/kg群(6人)とされた。13人の患者のうち、男性は12人。年齢中央値は66.0歳(48-78)。Child-Pugh分類がAが10人、Bが3人だった。GPC3の免疫組織染色強度は0が1人、1が6人、2が5人、3が1人、4が1人だった。

 試験の結果、20mg/kg群までDLTは見い出されず、最大耐量(MTD)は決定されなかった。多く見られた副作用はリンパ球数減少(77%)、ナチュラルキラー細胞数減少(77%)、C反応蛋白上昇(69%)、発熱(62%)だった。グレード4/5の副作用はなく、2人以上発現したグレード3の副作用はリンパ球数減少(23%)、血圧上昇(23%)、血小板減少(15%)だった。重篤な副作用は4人の患者で5件あった。注射関連反応が62%の患者で認められたが、管理可能だった。

 抗腫瘍効果は、完全奏効、部分奏効はなかったものの、7人で病勢安定(SD)が得られ、そのうち3人は5カ月以上のSDが得られた。αフェトプロテインの減少は11人中7人(64%)で認められ、des-γcarboxy prothrombin(DCP)は13人中11人(85%)で減少した。無増悪生存期間中央値は2.1カ月(95%信頼区間:1.9-3.5)だった。

 現在、GPC3の免疫組織染色強度で層別化し、プラセボと比較する国際フェーズ2試験が実施されている。