1〜3コースの化学療法後に進行した食道癌に対するゲフィチニブ投与は、全生存期間(OS)に対して有効性は示せなかったものの、症状の緩和や食道機能の悪化防止に有効であることが示された。1月24日からサンフランシスコで開催されている2013 GASTROINTESTINAL CANCERS SYMPOSIUM(ASCO GI)で、英国University of OxfordのSusan Dutton氏が発表した。

 食道癌に対するセカンドライン治療における化学療法の意義について、現状では知見が十分ではない。

 ゲフィチニブはフェーズ2試験で食道癌に対して有効な可能性が示されたことから、COG(Cancer Oesophagus Gefitinib)collaborative groupは、COG試験として、1つ以上の化学療法受療後に進行した食道癌患者に対するゲフィチニブの有効性と安全性を検討した。

 英国の多施設共同フェーズ3試験として実施されたCOG試験の主要評価項目はOSで、450例が登録され、ゲフィチニブ群、プラセボ群に1:1に割り付けられた。

 その結果、OSに対する有効性は認められなかったものの(ゲフィチニブ群4.60カ月、プラセボ群4.37カ月)、無増悪生存期間(PFS)はプラセボ群が35日だったのに対し、ゲフィチニブ群は47日と統計学的に有意に延長し、中には高い奏効が得られた患者も存在した。

 そこで同グループは、COG試験を対象に、患者が報告するアウトカム(PRO)について検討した。PROでは、全体的な健康感(QOL)や嚥下障害、食事制限、嚥下痛などについて検討。登録時と4週目、8週目、12週目と進行が認められるまで評価した。

 登録時のPROが評価できたのは、ゲフィチニブ群209例、プラセボ群214例。

 COG試験では、4週時点で生存し、無増悪を維持できていたのは全450例中312例(70%)で、そのうち245例が4週時点でPROのための質問に回答できた。

 評価の結果、QOL、嚥下障害、食事制限、嚥下痛についてゲフィチニブ群で良好な傾向が認められた。特に嚥下痛についてはゲフィチニブ群で有意に良好だった。

 また、各症状に対する詳細な検討の結果、社会的機能、便秘、嚥下痛、発声について、ゲフィチニブ群で有意に良好だった。一方、下痢についてはゲフィチニブ群で有意に低下していた。

 これらの結果から、同グループは、化学療法を受けて進行してしまった食道癌の予後は悪く、症状の緩和や食道機能の悪化を防ぐ方法が必要であると指摘するとともに、現在、COG試験を対象にゲフィチニブが奏効する患者を見い出すためのバイオマーカー探索を進めている。