前治療歴を有するがトラスツズマブの投与は受けていないHER2強陽性(IHC3+または、IHC2かつFISH+)の進行・再発胃癌患者に対し、パクリタキセルとトラスツズマブの併用療法は有効で安全な可能性が多施設共同のフェーズ2試験(JFMC45-1102)から示された。1月24日から米サンフランシスコで開催されている2013 Gastrointestinal Cancers Symposium 2013(ASCO GI)で、神戸市立医療センター中央市民病院外科の三木明氏が発表した。

 フェーズ3のToGA試験では、トラスツズマブとカペシタビンを併用するファーストライン治療により、HER2陽性の転移を有する胃癌患者の生存期間の改善が示された。

 しかし、HER2陽性の転移を有する胃癌で、前治療でトラスツズマブの投与を受けていない患者のセカンドライン治療として、トラスツズマブを含むレジメンの有効性と安全性は報告されていない。そのため三木氏らは、このような患者に対するパクリタキセルとトラスツズマブの併用療法の有効性と安全性を検討するフェーズ2試験を行った。

 対象は、HER2強陽性(IHC3+または、IHC2+かつFISH+)で、組織学的に胃腺癌と確認された、切除不能な進行または再発胃癌の20歳以上の患者。胃癌に対する前治療として1レジメン以上の化学療法を受けており、かつトラスツズマブおよびタキサンによる治療歴はないこととした。左室駆出率(LVEF)は50%以上であることとした。

 パクリタキセルは80mg/m2を3週間連続して投与し(1、8、15日目)、その後1週間休薬した。トラスツズマブは、初回は8mg/kg、その後は6mg/kgとし、3週毎に投与した。投与は、進行、受容不能な毒性の発現、患者の拒否まで継続した。

 主要評価項目はRECIST ver1.0による奏効率、副次的評価項目は無増悪生存期間(PFS)、治療成功期間(TTF)、全生存期間(OS)、安全性だった。LVEFの評価は3カ月毎に繰り返した。
 
 2011年9月から2012年3月までに47人が登録され、46人(男性37人、年齢中央値69歳)が適格基準を満たした。ECOG PS 0/1/2の患者はそれぞれ35人(76.1%)、10人(21.7%)、1人(2.2%)だった。IHC3+/FISH+だったのは9人(19.6%)、IHC3+/FISH不明は24人(52.2%)、IHC2+/FISH+は13人(28.3%)だった。胃切除術は25人(54.3%)が受けていた。前治療のレジメン数は1が41人(89.1%、このうち術後補助療法は12人)、2が5人(10.9%)だった。
 
 16週時の奏効率は全例で評価可能で、37.0%(95%信頼区間:23.2-52.5%)となった。部分奏効(PR)は37.0%、安定状態(SD)は45.6%で、病勢コントロール率(DCR)は82.6%(95%信頼区間:68.6-92.2%)だった。腫瘍縮小率(best response)は52.2%だった。観察期間が短いため、PFS、TTF、OSは調査中である。
 
 ウオーターフォールプロット解析でみると、腫瘍縮小率が30%以上となったのは、8週時で17人(37.8%)、12週時で19人(41.3%)だった。

 LVEFの評価は33人で行われ、LVEFの低下は全体で19人(57.6%)に発現したが、10%を超える低下を認めたのは1人のみだった。他の安全性プロファイルについては調査中であるという。