米Novocure社は、2013年1月22日、NCCN(National Comprehensive Cancer Network)の中枢神経系癌臨床ガイドラインに、同社の「NovoTTF」が新たな治療の選択肢として記載されたと発表した。

 米国で著名な21の癌センターによって構成されているNCCNのウェブサイトで、すでに公開されている新たなガイドラインには、最初の治療後に再発または進行した膠芽細胞腫の患者に対する治療の選択肢として、手術、化学療法、放射線治療とともにNovoTTFが紹介されている。

 NovoTTF治療用デバイスである「NovoTTF-100A」は装用型の非侵襲的なデバイスで、頭皮の上から腫瘍に向けて非常に弱い中間周波の交流電場を持続的に発生させるものだ。同社はこのような電場を「腫瘍治療電場」(Tumore Treating Fields:TTF)と呼んでいる。分裂中の細胞に連続的にTTFを作用させると、細胞が二分される前の段階で染色体や分離装置の正常な分離が阻害され、分裂は停止する。電場の影響は分裂が早い細胞に顕著に表れ、ゆっくりと分裂する正常細胞にはほとんど認められない。

 NovoTTF-100Aの全重量は約3kgで、斜めがけショルダーバッグの中にバッテリーなどの主な装置が入っており、そこから、頭髪をそり落とした頭に貼り付けた電極パッドに向けてケーブルが伸びる。患者は、ショルダーバッグを持ち歩く、または自分の脇に置いておくだけで、通常通りの生活を送りながら連続的に治療を受けることができる。

 その有効性と安全性は無作為化フェーズ3試験で確認された。外科的治療、放射線治療、化学療法(テモゾロミド)の後に再発した、または進行した患者237人から得られたデータは、NovoTTFの有効性は最善と思われる化学療法に劣らないこと、有害事象は化学療法より少なく、QOLは化学療法より高いことを示した。

 この治療は、米国、EU加盟国とスイスで承認を得ている。米国では2011年に、22歳以上の多形性膠芽腫患者で化学療法後に小脳テント上に再発が見られた症例への適用が許可された。基本的には他の治療とは併用せず、外科的治療や放射線療法が有効でなかった患者に、医師の監督の下に用いられる。

 NovoTTF治療は現在、米国内の60を超える癌センターで膠芽腫患者に適用されている。ガイドラインに掲載されたことでさらに治療適用が増えると予想したNovocure社は、2013年末までに、さらに多くの施設でNovoTTF-100Aシステムの使用法を指導する計画だ。