日本人の1期から3期の膵腺癌の術後補助療法としてS-1を投与すると、現在の標準療法であるゲムシタビン投与に比べて全生存(OS)率を有意に高めることが明らかとなった。フェーズ3試験であるJASPAC-01試験の結果示されたもの。1月24日から26日に米サンフランシスコで開催される2013 GASTROINTESTINAL CANCERS SYMPOSIUM(ASCO GI)で静岡がんセンター副院長兼肝・胆・膵外科部長の上坂克彦氏が発表する。

 JASPAC-01試験は膵腺癌の術後補助療法として、S-1がOSについてゲムシタビンに非劣性であることを証明する目的で実施された。成人で3年以内に放射線療法や化学療法を受けたことのない組織学的に腺癌である膵癌患者で、病理病期が1期、2期、3期のR0切除またはR1切除を行った患者を無作為にゲムシタビン群(1コースを4週間として1日目、8日目、15日目に1000mg/m2投与、6コース実施)とS-1群(1コースを6週間として体表面積によって40から60mgを1日2回4週間投与、4コース実施)に割り付けた。主要評価項目はOSで、非劣性のハザード比上限は1.25だった。

 2007年4月から2010年6月の間に33病院で385人(ゲムシタビン群193人、S-1群192人)が登録された。このうち378人(ゲムシタビン群191人、S-1群187人)が全解析に用いられた。患者背景に差はなかった。2012年7月に行われた生存に関する中間解析で、独立データモニタリング委員会は結果の早期公開を推奨した。

 試験の結果、S-1のゲムシタビン群に対するハザード比は0.56(95%信頼区間:0.42-0.74)で、非劣性についてp<0.0001、優越性についてもp<0.0001で有意にS-1群の方が良かった。ゲムシタビン群の2年生存率は53%(95%信頼区間:46-60)で、S-1群は70%(95%信頼区間:63-76)だった。

 グレード3/4の副作用は倦怠感(ゲムシタビン群4.7%、S-1群5.4%)、食欲不振(5.8%、8.0%)、白血球減少症(38.7%、8.6%)、血小板減少症(9.4%、4.3%)、貧血(17.3%。13.4%)。AST上昇(5.2%、1.1%)だった。