ノーベルファーマとエーザイは、1月8日、抗悪性神経膠腫薬「ギリアデル」(一般名:カルムスチン)を9日に発売すると発表した。

 ギリアデルはニトロソウレア系アルキル化剤であるカルムスチンを生体内分解性のポリマー基剤に含んだ、脳内留置徐放性製剤。成人には、脳腫瘍切除腔の大きさや形状に応じて、ギリアデル8枚(カルムスチンとして61.6mg)もしくは適宜減らした枚数を腫瘍切除後の切除面を被覆するように留置する。留置によって切除直後から腫瘍細胞に直接、高濃度の抗癌剤を一定期間、効率よく曝露させることで、放射線療法や化学療法などの術後療法開始までの治療空白期を埋め、残存腫瘍縮小や増殖抑制効果を発揮すると期待されている。

 海外で実施されたフェーズ3試験で、ギリアデルとプラセボを比較した結果が報告されている。

 初発患者240人を対象とした多施設共同、無作為化二重盲検プラセボ対照試験(T-301試験)で、全生存期間の中央値は、ギリアデル群13.9カ月、プラセボ群11.6カ月で、ギリアデル群で有意な延長が認められた(p=0.03)。

 また、再発患者222人を対象にした多施設共同、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(8802試験)では、6カ月生存率は、ギリアデル群60.0%、プラセボ群47.3%(p=0.06)、全生存期間の中央値は、ギリアデル群7.24カ月、プラセボ群5.42カ月で、統計学的に有意な差ではなかった(p=0.30)。しかし、膠芽腫患者145人のみを対象とした解析で、6カ月生存率は、ギリアデル群55.6%、プラセボ群35.6%で、有意な差があった(p=0.02)。全生存期間中央値は、ギリアデル群6.4カ月、プラセボ群4.6カ月だった。

 国内試験は、初発悪性神経膠腫患者16人、再発膠芽腫患者8人を対象に実施された多施設共同、非対照、非盲検試験として実施された。腫瘍切除術時、切除腔にギリアデルを最大8枚留置し、留置後14日以降、初発患者にはテモゾロミド、放射線療法、再発患者にはテモゾロミドを中心とした適切な治療を併用し、留置後6、12カ月時点の生存率、安全性を評価した。その結果、初発患者の12カ月生存率は100.0%(16/16人)で、再発患者の6カ月生存率は87.5%(7/8人)、12カ月生存率は62.5%(5/8人)だった。

 神経膠腫は、原発性脳腫瘍の約30%を占める悪性度の高い脳腫瘍。脳内・脊髄内に浸潤することが多く、腫瘍の境界が不鮮明で、周辺部では正常脳組織と腫瘍細胞が混在し手術による全摘出が困難とされている。悪性神経膠腫の5年生存率は25%以下だ。日本における悪性神経膠腫の年間発症数は、約2000〜2500人と推定されている。日本では、ギリアデルは、2008年9月の未承認薬使用問題検討会議で医療上の必要性が指摘され、2009年6月には希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)として指定されていた。