厚生労働省は12月26日、医薬品・医療機器等安全性情報第297号で、消化管用ステントの適用に当たっての注意喚起を行った。消化管ステント留置例において、留置部位での穿孔が報告されたことから、ステント留置前に放射線治療または化学療法を実施した患者や、がんの浸潤が著しい患者においては消化管用ステントの適用判断を慎重に行うよう求めている。

 食道用ステント、胃十二指腸用ステント、大腸用ステントなどの消化管用ステントは、癌の進行などによって狭窄や閉塞を起こした消化管を拡張し、開存性を維持するために留置されている。国内では現在、8製品が承認されている状況だ。

 消化管用ステントを留置後に消化管穿孔が生じた、または消化管穿孔疑いだった事例はこれまでに53件報告されている(食道用ステント:5件、胃十二指腸用ステント:19件、大腸用ステント:29件)。このうち、16件が腹膜炎などを発症し、死亡に至っている(食道用ステント:1件、胃十二指腸用ステント:8件、大腸用ステント:7件)。一部の事例については、ステント留置前に行った放射線治療や化学療法によって組織が脆弱な状態となり、ステント拡張によって消化管穿孔に至った可能性があると報告されている。
 
 このため、11月7日付けで、消化管用ステント製造販売業者に対し、ステント留置前に放射線治療または化学療法を行った患者や、がんの浸潤が著しい患者への適用の判断を慎重に行うことを警告欄に記載するよう添付文書を改訂するよう求めたほか、注意喚起の徹底を指示した。