独Bayer社は、2012年12月14日、米食品医薬品局(FDA)に、ホルモン療法抵抗性で骨転移のある前立腺癌を適応として、塩化ラジウム223(以前はAlpharadinと呼ばれていた)の承認を申請したと発表した。米国での申請提出の直前に、同社は欧州でも同様の申請を行っている。

 この製品は同社とノルウェイAlgeta社が共同で開発している。静脈内投与すると骨転移部位に集積し、アルファ線を放出することにより抗腫瘍効果を発揮する。

 申請のベースになったのは、19カ国の100を超える施設で、ホルモン療法抵抗性で骨転移がある症候性の患者921人を登録した、二重盲検の無作為化フェーズIII ALSYMPCA試験の結果だ。この試験では、患者をラジウム223+最善の支持療法、または偽薬+最善の支持療法群のいずれかに割り付け、4週間隔で6回静脈内投与した。

 主要評価指標は全生存期間に設定されていた。ラジウム223群の全生存期間の中央値は14.9カ月、偽薬群は11.3カ月で、偽薬と比較したラジウム223群の全死因死亡のハザード比は0.695(p=0.00007)になった。

 多く見られた血液学的有害事象は、貧血(ラジウム223群が31%、偽薬群も31%)、好中球減少症(5%と1%)、血小板減少症(12%と6%)で、重症有害事象としては貧血(13%と13%)、好中球減少症(2%と1%)、血小板減少症(6%と2%)などの発生率が高かった。それ以外の有害事象で多かったのは、骨の痛み(50%と62%)、悪心(36%と35%)、下痢(25%と15%)、嘔吐(19%と14%)などだった。

 この試験の最新データは米臨床腫瘍学会(ASCO2012)で報告された。