米食品医薬品局(FDA)は11月29日、転移を有する甲状腺髄様癌の治療薬として、cabozantinib(米国での商品名 Cometriq)を承認した。

 甲状腺髄様癌は、カルシトニンと呼ばれるホルモンを分泌する甲状腺の傍濾胞細胞から発生する。このタイプの癌は遺伝に関係なく発生する場合と、甲状腺などの内分泌系に1つ以上の癌を引き起こす遺伝子変異を有する家族に発生する家族性の場合がある。甲状腺癌全体における甲状腺髄様癌の発生は米国では4%とまれである。

 cabozantinibはFDAの6カ月間の優先審査指定を受けており、この度FDAは審査を終了した。同剤はFDAによるオーファンドラッグ指定も受けている。

 cabozantinibは髄様癌細胞の発生と増殖に関与する異常なキナーゼプロテインをブロックする作用を持つ。内服前の2時間と内服後の1時間は禁食が必要である。

 第3相試験では、主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)中央値は、プラセボ群の4.2カ月に対し、cabozantinib群では11.2カ月と有意に延長した(ハザード比0.28、p<0.0001)。cabozantinib群の奏効率は27%、奏効期間は平均で約15カ月だったが、プラセボ群では奏効は認められなかった。ただし、cabozantinibによる生存の延長は得られていない。

 安全性も同試験で確立されているが、添付文書の黒枠警告では、患者と医療従事者に対し、大腸に重度および致命的な出血と穿孔・瘻孔が発生する場合があると警告している。

 その他に多く観察された副作用は、下痢、口内炎、手足症候群、体重減少、食欲低下、悪心、疲労感、白髪化または脱毛、味覚異常、新規の高血圧症の発症または既往の高血圧症の悪化、腹痛、便秘だった。検査値の異常で多かったのは、肝機能異常、カルシウムおよびリンの低値、白血球と血小板の減少などだった。

 cabozantinibは米Exelixis社によって販売される。