米Merck社と米Endocyte社は、2012年11月27日、葉酸受容体陽性のプラチナ製剤耐性卵巣癌を適応として提出したvintafolide(MK-8109/EC145)とコンパニオン診断薬etarfolatide(EC20)の市販許可申請が欧州医薬品庁(EMA)に受理されたと発表した。

 承認されれば、vintafolideはドキソルビシン内包PEGリポソーム(PLD)と併用される。vintafolide、etarfolatide共に欧州でオーファンドラッグ指定を得ている。

 Vintafolideは注射剤で、強力な抗癌薬であるビンカアルカロイドDAVLBH(デスアセチルビンブラスチン・ヒドラジド)と葉酸の複合体からなる。葉酸は細胞分裂に必須のビタミンで、癌細胞は正常細胞に比べ多くの葉酸を必要とするため、卵巣癌を含むある種の癌細胞には葉酸受容体の過剰発現が見られる。Vintafolideは葉酸受容体発現細胞に選択的に抗癌薬を送達するよう設計されている。

 卵巣癌においては、プラチナ製剤耐性患者の約80%に、葉酸受容体の過剰発現が見られると推定されている。葉酸受容体陰性の患者に比べ、陽性患者の転帰は不良であることが示されている。

 Etarfolatideは、卵巣癌における葉酸受容体の過剰発現を非侵襲的に検出できる放射線画像診断用イメージング剤だ。

 欧州における市販許可申請には4件の臨床試験のデータが添えられている。固形癌を対象とするフェーズ1試験、卵巣癌と非小細胞肺癌の患者を登録し単剤でvintafolideを投与したシングルアームのフェーズ2試験2件、プラチナ製剤耐性卵巣癌患者を対象とする無作為化フェーズ2b PRECEDENT試験だ。

 Vintafolideについては現在、プラチナ製剤耐性卵巣癌の患者を対象に、国際的な二重盲検の無作為化フェーズ3試験PROCEEDが行われている。この試験は、コンパニオン診断薬であるetarfolatideを用いて同定した葉酸受容体陽性患者を、vintafolideとPLDの併用、またはPLDと偽薬の併用に割り付けて無増悪生存期間を比較するもので、全生存期間は2次評価指標に設定されている。

 Merck社はEndocyte社と結んだ独占的なライセンス契約に基づいて、癌治療を目的とするvintafolideの開発と世界的な商業化を進めている。Endocyte社は、米国内ではこの製品をコ・プロモートする計画だ。Etarfolatideについては、同社が世界的な開発、製造、商品化の権利を保有する。Merck社は、EMAが市販許可申請を受理したことに対する成果達成報酬として、Endocyte社に500万ドルを支払うことになる。