退形成性乏突起膠腫では、固有の分子サブタイプ(intrinsic molecular subtype)によって、プロカルバジン+ロムスチン+ビンクリスチン(PCV)の多剤化学療法による術後補助療法の効果予測ができる可能性が明らかとなった。EORTC 26951試験のデータを解析した結果、示されたもの。

 11月15日から18日に米国ワシントン D.Cで開催された第17回神経腫瘍学会(SNO2012)で、オランダErasmus MCのPim French氏によって発表された。

 グリオーマの固有のサブタイプ(IGS)は、遺伝子発現解析によるクラスター化を基にして同定される分子学的に類似な腫瘍のこと。

 退形成性乏突起膠腫の術後補助療法としてのプロカルバジン+ロムスチン+ビンクリスチン(PCV)の多剤化学療法の効果を評価した無作為化フェーズ3試験、EORTC26951の結果とIGSの関係を解析した。ホルマリン固定パラフィン包埋検体も遺伝子発現プロファイルの解析に利用された。

 遺伝子発現解析は140検体でマイクロアレイを用いて行われ、新鮮な凍結検体47検体、パラフィン包埋検体93検体だった。凍結検体はHU133plus2.0アレイで、パラフィン包埋検体はHuEx_1.0_st arrays+Nugen Ovationキットで評価した。

 凍結検体とパラフィン包埋検体によるそれぞれの分類で生存のカプランンマイヤー曲線が変わるかどうか比較したところ、55検体中48検体で類似の結果となり、パラフィン包埋検体でも評価が可能なことが分かった。

 解析の結果、EORTC26951試験の検体には既に同定されている6種類のグリオーマのサブタイプがすべて含まれていた。IGS-9(染色体1pと19の同時欠失、IDH1遺伝子変異が特徴)が50検体、IGS-16(PA/tetraploidが特徴)が2検体、IGS-17(IDH1遺伝子変異が特徴)が26検体、IGS-18(Classicalが特徴)が27検体、IGS-22(sGBMが特徴)が8検体、IGS-23(Mesが特徴)が27検体だった。

 IGSのサブタイプによって全生存期間(OS)は異なり、IGS-9が有意(p<0.0001)によかった。既知の分子学的予後因子(染色体1pと19の同時欠失、IDH1遺伝子変異)とIGSを組み合わせることで、結果予測が23%から30%に改善した。

 研究グループは、IGS-9はPCV療法のOSに対する恩恵を有意に受けることを見出した(p=0.0349)。それに対してIGS-18、IGS-17、IGS-23では有意な差はなかった。