66歳以上の新規診断された退形成性星細胞腫または膠芽腫患者テモゾロミドを投与するべきか、それとも放射線治療を行うべきかを決定する際に、MGMT(O6-methylguanine DNA-methyltransferase)遺伝子のプロモーター部分のメチル化の有無を参考にすればよい可能性が明らかとなった。高齢悪性星細胞腫患者を対象として、標準アームである放射線治療に対し、テモゾロミド投与が非劣性を示すかどうかを検証した無作為化フェーズ3試験NOA-08の結果示されたもの。

 全体で非劣性は証明され、MGMT遺伝子プロモーターがメチル化されている場合にはテモゾロミド、されていない場合には放射線の方が全生存(OS)、無イベント生存(EFS)が長いことが分かった。11月15日から18日に米国ワシントン D.Cで開催された第17回神経腫瘍学会(SNO2012)で、スイスUniversity Hospital ZurichのMichael Weller氏によって発表された。

 NOA-08試験は、65歳超でKarnofsky performance scoreが60以上の373人の患者が放射線治療(1.8から2Gyを30回に分けて照射)群(178人、13%が退形成性星細胞腫、87%が膠芽腫)とテモゾロミド投与(1日あたり100mg/m2を1週間投与して1週間休薬)群(195人、9%が退形成性星細胞腫、91%が膠芽腫)に割り付けられた。両群とも増悪した場合にはクロスオーバーが認められていた。患者背景には差がなかった。組織学的な診断は全て中央検査で確認された。

 テモゾロミド群の放射線治療群に対する全生存期間(OS)中央値のハザード比は1.09(95%信頼区間:0.84-1.42)、 EFS中央値のハザード比は1.15(95%信頼区間:0.92-1.43)で、両群に差はなかった。OSについてテモゾロミドの放射線への非劣性は証明された(p=0.033)。

 腫瘍組織におけるMGMT遺伝子のプロモーターのメチル化はOSの延長に関連していた。ハザード比0.62(95%信頼区間:0.42-0.91)、p=0.014。ハザード比0.5(95%信頼区間:0.36-0.68)、p<0.0001でEFSの延長にも関連していた。

 多変量解析の結果、MGMT遺伝子のプロモーターがメチル化、非メチル化に関わらず放射線治療を受けた患者のハザード比を1.0とすると、プロモーターがメチル化していてテモゾロミドを受けた患者は0.69(0.35-1.16)、プロモーターがメチル化していなくてテモゾロミドを受けた患者は1.34(0.92-1.95)となった。有意ではないがプロモーターがメチル化していればテモゾロミドの効果は放射線よりも高く、していなければ低い傾向があった。

 カプランマイヤー曲線での比較でもOS、EFSともに同様の結果を示した。