初発膠芽腫患者を対象として、術後または生検後、放射線療法とテモゾロミドにベバシズマブを併用した場合、ベバシズマブを加えなかった群に比べて、無増悪生存期間(PFS)が4カ月以上有意に延長したことが明らかとなった。11月15日から18日に米国ワシントン D.Cで開催された第17回神経腫瘍学会で、フランスAix-Marseille UniversityのOlivier Chinot氏によって発表された。

 このAVAglio試験は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照比較試験で、初発膠芽腫患者を対象として、術後または生検後、放射線療法とテモゾロミドにベバシズマブを併用した場合の有効性と安全性を評価した国際共同試験(日本も含む)。主要評価項目は試験担当医師の評価によるPFSとOS。副次評価項目は1年および2年の生存率、独立評価委員会の評価によるPFS、安全性プロファイル、QOL(EORTC QLQ-C30とBN20で評価)。探索的評価項目は、ステロイドの使用、Karnofsky performance score(KPS)だった。

 患者は、1週間のうち5日間(1日あたり2Gy)照射を6週間行う放射線療法、テモゾロミド(1日あたり75mg/m2)連日投与、ベバシズマブを2週間間隔で10 mg/kg投与する群(ベバシズマブ群)と、ベバシズマブの代わりにプラセボを投与する群(プラセボ群)に割り付けられた。

 放射線療法終了後は、28日間休薬し、4週間おきに5日間、1日当たり150mg/m2(可能であれば200mgまで増量した)のテモゾロミド投与、2週間間隔にベバシズマブ10mg/kgまたはプラセボ投与を6サイクル行った。その後は病状が進行するまで、3週間隔でベバシズマブ15mg/kgまたはプラセボを投与し続けた。

 試験には2009年から2011年までに921人の患者が登録された。プラセボ群に463人、ベバシズマブ群に458人が割り付けられた。年齢中央値はプラセボ群56.0歳、ベバシズマブ群57.0歳、男性はプラセボ群が64%、ベバシズマブ群が62%など、両群間に差はなかった。

 試験の結果、主要評価項目の1つである試験担当医師によるPFS中央値は、プラセボ群が6.2カ月、ベバシズマブ群が10.6カ月、層別化ハザード比は0.64(95%信頼区間:0.55−0.74)、p<0.0001(log-rank test)で、ベバシズマブ群に有意な延長が確認された。カプランマイヤー曲線は試験開始3カ月目頃から大きな差がついていた。サブグループ解析は、どの患者でもベバシズマブ群が優位な傾向にあった。

 副次評価項目である独立評価委員会による解析でも、PFS中央値はプラセボ群が4.3カ月、ベバシズマブ群が8.4カ月、層別化ハザード比は0.61(95%信頼区間:0.53−0.71)p<0.0001(log-rank test)で、ベバシズマブ群に有意な延長が確認された。

 もう一つの主要評価項目であるOSは中間解析の結果が発表された。プラセボ群は観察期間中央値13.7カ月で263イベントが発生、ベバシズマブ群は観察期間中央値14.4カ月で254イベントが発生しており、層別化ハザード比は0.89(0.75−1.07)、p=0.2135で統計学的に有意な差はなかったが、ベバシズマブ群が良い傾向があった。1年生存率もプラセボ群が66%(95%信頼区間:62−71)、ベバシズマブ群が72%(95%信頼区間:68−76)、p=0.052で統計学的に有意な差はなかったが、ベバシズマブ群が良い傾向があった。

 QOLはEORTC QLQ-C30のうちの3項目、脳腫瘍特異的な指標であるBN20の2項目で評価された。ベースラインからの安定/改善期間中央値は、5項目すべてでベバシズマブ群の方が長かった(プラセボ群は4から5カ月、ベバジズマブ群は7から8カ月)。KPSが70以上を維持できた期間の中央値はプラセボ群6カ月に対してベバシズマブ群は9カ月だった。

 ベースライン時にステロイドを使用していた患者でステロイドを中止(ステロイドフリー)できた患者はプラセボ群が47%、ベバシズマブ群が66%だった。ベースラインでステロイドを使用していなかった患者がステロイド使用を開始するまでの期間の中央値はプラセボ群が3.7カ月、ベバシズマブ群が12.3カ月で、ハザード比0.71(95%信頼区間:0.57−0.88)、p=0.0018(log-rank test)で有意にベバシズマブ群が長かった。

 副作用は全体的にベバシズマブ群でやや多い傾向があった。新たに見出された副作用はなく、既知のベバシズマブの安全性プロファイルと一致していた。