新規に診断されたグレード3のグリオーマである退形成性乏突起膠腫(anaplastic oligodendroglioma:AO)と混合型退形成性乏突起星細胞腫(mixed anaplastic oligoastrocytoma:MAO)に、テモゾロミドの繰り返し投与後に放射線治療とテモゾロミドを投与する方法が有効である可能性が明らかとなった。フェーズ2試験RTOG0131のアップデート解析で良好な無増悪生存(PFS)、全生存(OS)が示されたもの。11月15日から18日に米国ワシントン D.Cで開催された第17回神経腫瘍学会(SNO2012)で、米国Cleveland Clinic FoundationのMichael A. Vogelbaum氏によって発表された。

 フェーズ2試験は、AOとMAOの患者に1日当たり150mg/m2テモゾロミドを7日間連続で投与し7日間休薬する化学療法を6コース行った後、放射線治療とテモゾロミドを投与するもの。最初のテモゾロミドの奏効率は32%であったことと副作用は忍容可能であったことが既に報告されている。今回はPFSとOSに関する結果が発表された。

 フェーズ2試験には適格患者40人(AOが33%、MAOが67%)が参加し、32人の患者で治療が完了した。観察期間中央値7.4年(1.1-8.8)、コホート全体での観察期間8年、PFS中央値は5.9年(95%信頼区間:2.0-NR)でOS中央値は未到達(95%信頼区間:5.8-NR)だった。

 抗がん剤の効果と関連があると言われている第1染色体単腕1pと第19染色体長腕19qに関するデータが37人で得られ、23人で両方が欠失(同時欠失群)、14人が片方のみ欠失か両方とも欠失していなかった(非同時欠失群)。

 観察期間6年時点で、同時欠失群では23人中8人で病状が進行し、4人が死亡した。PFS中央値、OS中央値とも未到達で、放射線治療前のテモゾロミドのみで放射線治療を受けなかった2人の患者は7年以上無増悪状態を維持している。同時欠失群の3年PFS率は77%、6年全生存率は82%だった。

 非同時欠失群は14人中9人で病状が進行、8人が死亡した。OS中央値は5.8年、PFS中央値は1.3年だった。

 一方、乏突起膠腫患者291人が放射線治療単独の標準治療群、または放射線とプロカルバジン+ロムスチン+ビンクリスチン(PCV)の多剤併用化学療法群(PCV/RT群)にランダムに割り付けられたRTOG 9402試験では、同時欠失患者に放射線治療と化学療法を併用すると、乏突起膠腫患者の生存期間中央値が2倍となることが報告されている。同時欠失患者の放射線治療のみの群の3年PFS率が49%、6年OS率が60%、PCV/RT群の3年PFS率が68%、6年OS率が67%だった。同時欠失患者のOS中央値は放射線治療のみ群7.3年、PCV/RT群14.7年、PFS中央値は放射線治療のみ群2.9年、PCV/RT群8.4年だった。非同時欠失患者のOS中央値は放射線治療のみ群2.7年、PCV/RT群2.6年、PFS中央値は放射線治療のみ群1.0年、PCV/RT群1.2年だった。

 同様の試験であるEORTC26951では、同時欠失患者のOS中央値は放射線治療のみ群が9.3年、RT/PCV群が未到達、PFS中央値は放射線治療のみ群が4.2年、RT/PCV群は13.1年だった。非同時欠失患者のOS中央値は放射線治療のみ群が1.8年、RT/PCV群は2.1年、PFS中央値は放射線治療のみ群が0.8年、PCV/RT群が1.3年だった。

 Vogelbaum氏は、RTOG0131試験が非ランダム化試験で、直接比較した結果ではなく、予定していなかった解析で症例数も少ないとしながら、RTOG9402、EORTC26951に匹敵する効果があるとした。さらにPCVレジメンによる化学療法に比べ、RTOG0131試験のレジメンは毒性が少ないとした。