進行固形癌にIGF-I、IGF-IIを標的とする抗体製剤MEDI573が有用である可能性が明らかとなった。フェーズ1試験で忍容性と一部の患者で抗腫瘍効果が確認された。ホルモン感受性の転移を有する乳癌を対象にアロマターゼ阻害剤と併用投与するフェーズ1b/2試験の患者登録が行われているという。11月6日から9日までアイルランド・ダブリンで開催されたEORTC-NCI-AACR Symposium on Molecular Targets and Cancer Therapeuticsで、米Mayo ClinicのPaul Haluska氏によって発表された。

 MEDI573はIGF受容体ではなく、IGFそのものを標的にしているため、グルコース恒常性に影響を与えることなく、抗腫瘍効果を発揮できると考えられている。

 フェーズ1用量増多試験は2つの投与スケジュールで行われた。毎週1回60分で静注する方法には0.5mg/kg群(4人)、1.5mg/kg群(3人)、5mg/kg群(14人)、10mg/kg群(3人)が参加した。3週おきに90分で静注する方法には30mg/kg群(3人)、45mg/kg群(3人)が参加した。

 2012年4月25日のデータカットまでに得られた43人の予備的なデータが発表された。患者の年齢中央値は64歳(37−64)、男性が25人、前治療レジメン数中央値は4(1−11)。膀胱癌17人を含む尿路上皮癌が20人を占めていた。

 試験の結果、どの群でも用量制限毒性は見られず、最大耐量は決められなかった。副作用のほとんどはグレード2以下だった。多かったのは倦怠感12人(27.9%)、食欲減退10人(23.3%)、吐き気7人(16.3%)、下痢6人(14.0%)、貧血5人(11.6%)だった。インスリンまたはソマトトロピンの臨床的有意な変化はなかった。投薬に関する血清中グルコースが臨床的に有意に変化したのは1人だけだった。

 全体として17人の患者で34件の重篤な副作用が認められた。週1回15mg/kgの1人の患者で2件の治療関連の重篤な副作用が確認された。抗MEDI-573中和抗体の出現は認められなかった。

 IGF-I/IIの完全な抑制が週1回投与の5mg/kg群以上、3週間に1回投与の30mg/kg群以上で認められた。抗腫瘍効果は43人中13人(30%)が病勢安定となり、8人(19%)は12週以上病勢安定を維持した。最も長期間投与された患者は、高分化型の脂肪肉腫患者で21カ月間投与された。