抗前立腺特異的膜抗原(PSMA)抗体−薬物複合体が去勢抵抗性で転移を有する前立腺癌(mCRPC)に有用である可能性が明らかとなった。フェーズ1試験で忍容性が認められ、高用量群の約半数の患者で抗腫瘍効果が認められた。11月6日から9日までアイルランド・ダブリンで開催されているEORTC-NCI-AACR Symposium on Molecular Targets and Cancer Therapeuticsで、米Yale University Cancer CenterのD.Petrylak氏によって発表された。

 PSMAII型膜貫通型糖蛋白は前立腺癌細胞で多く発現していることが知られている。今回試験に用いられたのは、抗PSMA抗体のチューブリン阻害剤のMMAEを結合させたもの(PSMA ADC)。

 フェーズ1用量増多試験はタキサン系抗癌剤で難治性の比較的全身状態の良いmCRPC患者を対象に行われた。患者には、PSMA ADCを3週間おきに4サイクルまで投与された。

 50人の患者が0.4mg/kg、0.7mg/kg、1.1mg/kg、1.6mg/kg、1.8mg/kg、2.0mg/kg、2.2mg/kg、2.5mg/kg、2.8mg/kgの9段階に分けられて投与を受けた。PSMA ADCは一般的に忍容性があり、2.8mg/kg群で主に好中球減少の用量制限毒性が認められ、2.8mg/kgは2.5mg/kgに減量して投与された。2.5mg/kgが最大耐量(MTD)となった。1サイクル目で起きたグレード3以上の副作用で多かったのは、好中球減少症で全体で12人に起こった。全サイクルで多かった副作用は食欲不振(47%)、倦怠感(45%)、便秘(43%)、吐き気(41%)などだった。

 1.8mg/kg以上の高用量投与群でPSAが50%以上減少した患者が8人、循環癌細胞数が50%以上一度でも減少した患者は11人存在した。

 PSMA ADCのタキサン系抗癌剤抵抗性のmCRPCを対象としたフェーズ2試験が最近開始されたという。