アステラス製薬は10月22日、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体アンタゴニストのデガレリクス酢酸塩(商品名:ゴナックス皮下注用80mg、120mg)を、前立腺癌の効能・効果で2012年10月23日から発売開始すると発表した。

 デガレリクス酢酸塩は、GnRH受容体アンタゴニストの皮下注射剤。脳の視床下部で産生されるGnRHがGnRH受容体へ結合するのを競争的に阻害することで、テストステロンの産生を低下させ、癌細胞の増殖を抑制する。また、投与3日後から血清テストステロン値を抑制・維持する速効性のほか、従来のLH−RHアゴニスト投与後に起こる一過性の血中テストステロン値の上昇(フレアアップ)を回避することが期待されている。

 今回の承認申請は、国内で実施したフェーズ1試験、フェーズ2試験、海外のフェーズ3試験「CS21」の結果をもとにした。GnRHアゴニスト徐放製剤のリュープロレリンと比較した海外フェーズ3試験では、フレアアップを回避できたほか、投与3日目から投与1年後まで血清テストステロン値が抑制・維持され、有効性と安全性が確認された。

 通常、成人には、初回240mgを、腹部2カ所に120mgずつ皮下投与する。2回目以降は、初回投与4週間後から80mgを維持用量とし、腹部1カ所に4週間おきに皮下投与する。

 薬価は、80mg1瓶が2万3693円、120mg1瓶が2万9126円。

 同社は、「ホルモン療法の選択肢を一つ増やすことができた。競合薬としては、GnRHアゴニスト製剤であるリュープロレリンやゾラデックスと考えているが、これらの薬剤と作用機序が異なるほか、テストステロン値を早期に抑制し、PSA値を低下させる速度に優位性があると考えている」としている。