米Eli Lilly社は、2012年10月15日、ramucirumab(開発名IMC-1121B)を転移を有する胃癌患者に適用した二重盲検の無作為化フェーズ3 REGARD試験で、全生存期間に設定された主要エンドポイントを達成したと発表した。無増悪生存期間の有意な延長も見られたという。

 ramucirumabは、完全ヒト抗VEGFR2(血管内皮細胞増殖因子受容体2)モノクローナル抗体(IgG1)製剤で、固形癌を対象として開発されている。この抗体は、VEGFR2の細胞外ドメインに結合することにより、VEGFリガンド(VEGF-A、VEGF-C、VEGF-D)と受容体の相互作用を阻害し、受容体の活性化を阻止する。VEGFR-2は血管新生の主要なメディエーターと考えられている。

 Lilly社は、2008年にImClone Systems社からramucirumabを獲得、単剤で、または他の薬剤と併用で、さまざまな癌の治療に適用するための開発を進めている。

 REGARD試験は、転移を有する胃癌または食道胃接合部の癌で、プラチナ製剤とフルオロピリミジンを含む第1選択治療後に進行を見た患者を登録、第2選択治療としてのramucirumab+最善の支持療法と偽薬+最善の支持療法を比較した試験だ。ramucirumab群に最も多く見られた有害事象は、高血圧(12%)だった。そのほか、5%超の患者に認められ、偽薬群に比べramucirumab群の発生率のほうが高かったのは下痢と頭痛だった。

 REGARD試験の結果は近々開催される学会で報告される予定。また、同社は、承認申請提出に向けた協議を当局と行う計画だ。

 同社は、胃癌を対象とするフェーズ3試験をもう1件行っている。RAINBOW試験は、ramucirumabをパクリタキセルと併用するもので、12年9月に患者登録を完了したところ。こちらは、プラチナ製剤とフルオロピリミジンを含む第1選択治療に反応しなかった、またはこの治療レジメン適用後に進行した、転移性胃癌(食道胃接合部の腺癌も含む)の患者を登録、ramucirumab +パクリタキセルまたは偽薬+パクリタキセルを第2選択として用いるものだ。主要エンドポイントは全生存期間に、2次エンドポイントは、無増悪生存期間などに設定されている。

 現在同社は、ramucirumabを5種類の癌(乳癌、大腸癌、胃癌、肝細胞癌、肺癌)の患者に投与して有効性と安全性を評価する6件のフェーズ3試験を進行中だ。