ドイツBoehringer Ingelheim社は9月20日、上皮成長因子受容体(EGFR)などのErbB受容体ファミリーを不可逆的に阻害する経口薬afatinibを、非小細胞肺癌(NSCLC)の治療薬として、欧州医薬品庁(EMA)に販売承認申請したと発表した。

 今回の申請は、LUX-Lung臨床試験プログラムの結果によるもの。中でも、無作為化オープンラベルフェーズ3試験であるLUX-lung3試験では、EGFR遺伝子変異を有する進行肺腺癌に対し、afatinibは標準的な化学療法に比べて、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長することが明らかとなっている。

 LUX-lung3試験では、ファーストラインとしてafatinibを投与する群(afatinib群、230人)と、ペメトレキセドとシスプラチンを投与する群(PC群、115人)が比較された。その結果、主要評価項目であるPFSの中央値がafatinib群は11.1カ月、PC群は6.9カ月だった。

 またEGFR遺伝子変異の約90%を占めるエクソン19の欠失変異、L858R変異のどちらかを有する患者では、afatinib群のPFS中央値は13.6カ月であるのに対し、PC群は6.9カ月とおよそ半分に過ぎなかった。

 afatinibによって無増悪生存期間が延長されたことにより、日常生活に影響を及ぼす肺癌関連症状も改善された。afatinib群では呼吸困難や咳、胸痛といった症状が改善され、PC群に比べ、症状悪化までの期間を有意に遅らせることができた。さらに患者のQOLもafatinib群のほうが優れていた。

 症状の改善や健康関連QOLを含め、試験の追加データが、9月28日からオーストリア・ウィーンで開催される欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2012)で報告される予定。

 同社ではさらにafatinibの有効性を探索するため、チロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブやエルロチニブと比較する2つの臨床試験(LUX-lung7、LUX-lung8)も開始している。