独Merck社は2012年9月18日、セツキシマブの適応拡大申請を自主的に取り下げるという戦略的な決断を下したと発表した。

 同社は、欧州医薬品庁(EMA)に対して、上皮成長因子受容体(EGFR)を高度に発現している、進行性または転移性の非小細胞肺癌(NSCLC)の患者に、標準的な第一選択薬であるプラチナ製剤ベースの化学療法と併用するための申請を提出していたが、EMAから臨床的な有用性を示すデータを追加提出する必要性を指摘されたことを受けて、申請取り下げを決定した。

 すでに適応が承認されている転移性大腸癌と頭頸部扁平上皮癌に対するセツキシマブの有効性は揺るがない。

 同社は、ほかにも有望な癌治療薬候補の開発を進めており、たとえば、治療歴の無い進行膵臓癌患者を対象とするTH-302のフェーズ3試験の開始が予定されている。

 TH-302は、同社と米Threshold Pharmaceuticals社が臨床開発を進めているプロドラッグで、酸素濃度が非常に低い環境下でのみ活性化され、DNAアルキル化剤が放出される。パートナーであるThreshold社は、2012年2月にこの試験で主要エンドポイントを達成したと発表している。進行膵臓癌患者214人を登録したこの試験では、ゲムシタビンとTH-302(240mg/m2または340 mg/m2)を併用されたグループの無増悪生存期間は、ゲムシタビン単剤群に比べ63%長かったという(P=0.005)。一方、全生存期間については、有意差は見られなかった。安全性に関する新たな問題は認められなかった。 

 Threshold社によると、10月初めにオーストリアのウィーンで開催される欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、TH-302に関するオープンラベルの無作為化フェーズ2b試験の結果が報告される予定だ。