アジア人の肝細胞癌を対象とした肝動脈化学塞栓術(TACE)とソラフェニブの併用は、忍容性があり、客観的奏効率が69.5%、進行までの期間(TTP)は415日、無増悪生存期間(PFS)は384日であることが、フェーズ2試験であるSTART試験の最終解析結果から示された。9月14日からベルリンで開催されたInternational Liver Cancer Association(ILCA)の第6回年次集会で、台湾Veterans General HospitalのYee Chao氏が発表した。

 START試験は、Child-pugh Aで、腫瘍径10cm未満の肝細胞癌患者を対象とし、ドキソルビシンを使ったTACEとソラフェニブの併用を繰り返して行う試験で、1回目のTACEから4日後〜2回目のTACEの4日前までソラフェニブを投与するというサイクルを繰り返すもので、TACEとTACEの間は6〜8週間空けるというデザインとした。主要評価項目は安全性と忍容性で、副次評価項目は進行までの期間、PFS、TACE施行回数とした。

 2009年3月から2010年3月までに、台湾、中国、韓国、タイ、マレーシア、シンガポールの患者を登録し、192例が解析の対象となった。

 年齢中央値は57歳、99.5%がECOG PSが0か1で、81.2%の背景肝がHBVだった。BarcelonaClinic Liver Cancer(BCLC)ステージでAが16.5%、Bが81.4%、Cが2.1%だった。Child-PughグレードでAが91.8%、Bが7.1%だった。

 肝限局例が98.0%、脈管浸潤例が2.0%。過去に手術を受けていたのは11.3%で、局所治療を受けたことがある症例は87.7%だった。ソラフェニブの平均投与量は697mg/日で、TACEの平均施行回数は3.1回(範囲1〜12回)だった。

 少なくとも1つの有害事象が見られたのは98.4%で、腹部痛や下痢などの胃腸障害が見られたのは76.0%、倦怠感や痛み、発熱がみられたのは53.1%、皮膚や皮下傷害が見られたのは84.9%だった。グレード3以上の有害事象としては、ALT上昇、血小板減少、AST上昇、好中球減少、白血球減少などが見られたが、3〜8%程度だった。またグレード3の手足症候群が15.1%に認められた。ソラフェニブに関連する有害事象は下痢が25.0%、皮膚障害が84.4%だった。重篤な有害事象が見られたのは27.1%で、胃腸障害が7.3%、全身性障害が5.7%、肝胆障害が5.7%、感染症が5.2%だった。

 奏効率を解析できた190例のうち、完全奏効が52.6%、部分奏効が16.8%、病勢安定が24.2%で、客観的奏効率は69.5%、病勢コントロール率は93.6%だった。

 進行までの期間中央値は415日で、PFS中央値は384日だった。また、1サイクル目のTACE施行+ソラフェニブ投与後に病勢進行が認められたのは5.8%だった。

 Chao氏は、「TACEとソラフェニブの併用療法は予想外または新規の有害事象は見られず、有害事象はコントロール可能だった。TTPおよびPFSで効果が確認されたが、今後、OSの評価を進めるためにフェーズ3試験を行う必要がある」と締めくくった。