カナダOncolytics Biotech社は、2012年9月13日、扁平上皮性肺癌(SCCLC)患者を登録し、ヒト・レオウイルスを利用した抗癌剤「REOLYSIN」とカルボプラチン、パクリタキセルを併用したフェーズ2 REO021試験の第1段階で、病勢コントロール率87%という好結果が得られたと発表した。

 米Cedars-Sinai医療センターのAlain Mita氏が主任研究官を務めているこの試験は、SCCLC患者のうち、転移性のステージIIIBまたはステージIVの患者、もしくは再発性の患者で、転移性、再発性の癌に対する化学療法歴が無い人々を登録している。主要評価指標は客観的奏効率に、2次評価指標は無増悪生存率と全生存率、安全性と忍容性に設定されている。

 試験は2段階の設計になっており、第1段階でSCCLC患者19人に治療を行って評価し、4人以上が部分奏効以上の改善を示した場合に、試験を第2段階に進めて、登録患者を計55人まで増やす計画だった。

 第1段階で15人の患者を評価したところ、5人が部分奏効、8人が病勢安定と判定され、病勢コントロール率(完全奏効+部分奏効+病勢安定)は87%になった。現在第2段階が進行中だ。

 この予備的な分析で好結果が得られたことから、同社は、SCCLCを含む非小細胞肺癌に「REOLYSIN」を適用する無作為化フェーズ2の実施を計画している。

 「REOLYSIN」は、ヒト・レオウイルスを利用した癌治療薬で、静脈内投与される。RNAウイルスであるレオウイルスの性質を利用した「REOLYSIN」は、正常細胞に感染しても増殖できない。Ras経路が活性化されている癌細胞などで特異的に増殖し、細胞を破壊する。Ras経路の活性化は、ヒトの癌の2/3以上に見られている。レオウイルス自体は、上下水などに見つかる一般的なウイルスで、12歳までに約半数が、成人ではほとんどがこのウイルスに暴露されている。病原性はなく、通常は感染しても何の症状も表れない。