エベロリムスに骨吸収抑制効果、骨保護効果がある可能性が明らかとなった。レトロゾールまたはアナストロゾールで抵抗性もしくは不応性の閉経後の進行乳癌患者に対し、mTOR阻害剤エベロリムスとステロイド型アロマターゼ阻害剤エキセメスタンの併用により、無増悪生存期間(PFS)と奏効率が大きく改善できることを示した大規模フェーズ3試験、BOLERO-2の探索的解析で明らかとなったもの。成果は9月13日から15日に米サンフランシスコで開催されたBreast Cancer Symposium 2012(ASCO Breast2012)で、米Florida Cancer SpecialistsのLowell L.Hart氏によって発表された。

 BOLERO-2試験で、患者はエベロリムス10mg/日とエキセメスタン25mg/日を併用する群(併用群)と、プラセボとエキセメスタンを投与する群(プラセボ群)に2:1になるよう割り付けられた。骨代謝マーカーは、治療開始後6週目と12週目に空腹時に8.5mL血液を採取して測定された。骨代謝マーカーには、骨特異的型アルカリホスファターゼ(BSAP、破骨細胞の代謝マーカー)、I型プロコラーゲン-N-プロペプチド(P1NP、骨形成マーカー)、I型コラーゲン架橋C-テロペプチド(CTX、骨吸収マーカー)を選択した。骨病変の増悪は既存の骨転移が増悪した場合または骨転移の新たな出現とした。

 ベースラインで骨転移があった患者は併用群で76%、プラセボ群で77%と差はなかった。ベースラインでビスホスフォネートを使用していたのは、併用群で44%、プラセボ群で54%とプラセボ群でやや多かった。

 12週の時点で、併用群は3種類の骨代謝マーカーすべてがベースラインよりも減少していた。ベースラインでの骨転移の存在やビスホスフォネートの使用は、併用群でもプラセボ群でも骨マーカーレベルの変化のパターンに影響しなかった。研究グループは、エベロリムスはベースライン時での骨転移の存在やビスホスフォネートの使用にも関わらず、骨代謝を抑制し、内分泌療法に関連した骨吸収を逆転していることが示唆されるとした。

 骨病変の増悪は有意に併用群(485人)がプラセボ群(239人)よりも少なかった(p=0.0363)。また、ベースライン時に骨転移のあった患者でも骨病変の増悪は有意に併用群(371人)がプラセボ群(185人)よりも少なかった(p=0.0165)。併用群の骨折は2.3%に認められたのに対して、プラセボ群の骨折は3.8%だった。顎骨壊死は両群ともに0.4%に見られた。