非ステロイド型アロマターゼ阻害剤(AI剤)に抵抗性となった閉経後転移性乳癌に対する次の内分泌療法には、ステロイド型AI剤よりも高用量トレミフェンを投与する方が良い可能性が明らかとなった。日本で行われた無作為化フェーズ2試験の結果示されたもの。成果は9月13日から15日に米サンフランシスコで開催されたBreast Cancer Symposium 2012(ASCO Breast2012)で、熊本大学の岩瀬弘敬氏によって発表された。

 研究グループは、非ステロイド型AI剤の治療後に再発した再発/進行乳癌患者を対象に、トレミフェン120mgとエキセメスタン25mgの有効性と安全性を評価する目的でオープンラベル多施設無作為化フェーズ2試験を実施した。トレミフェン群には46人が登録され、43人に実際に投薬、エキセメスタン群は45人が登録、投薬された。それぞれトレミフェン120mg、エキセメスタン25mgを1日1回投与した。既に内分泌療法を受けた患者は、トレミフェン群が1ライン13人、2ライン19人、3ライン以上12人、エキセメスタン群が1ライン17人、2ライン17人、3ライン以上10人だった。非ステロイド型AI剤の効果があった患者はトレミフェン群が73.9%、エキセメスタン群が66.6%だった。

 試験の結果、トレミフェン群は完全奏効(CR)が1人、部分奏効(PR)が4人、長期病勢安定(SD)が14人で、臨床利益率は47.5%(95%信頼区間:31.2-64.7)、奏効率は12.5%(95%信頼区間:5.9-83.3)だった。エキセメスタン群はCRが1人、PRが0人、長期SDが11人で、臨床利益率は26.7%(95%信頼区間:13.0-40.1)、奏効率は2.2%(95%信頼区間:1.2-16.7)だった。臨床利益率は有意(p=0.046)な差がついたが、奏効率は有意な差ではなかった(p=0.065)。

 無増悪生存期間中央値はトレミフェン群が5.7カ月、エキセメスタン群は3.5カ月で、ハザード比0.62、p=0.047で有意な差がついたが、全生存期間中央値はトレミフェン群が18.6カ月、エキセメスタン群は15.4カ月で、ハザード比0.57、p=0.19で有意な差はつかなかった。。

 副作用はどちらもグレード3以上はなかったが、グレード1/2の副作用は、下痢、倦怠感、ほてりなどがトレミフェン群で多かった。

 研究グループは現在、トレミフェン120mgとフルベストラント500mgを比較する試験を進めている。

 岩瀬氏は「エキセメスタンは他の2つのAI剤同様、最初に使うべき薬剤」と語った。またデータは発表されなかったが、SERMを挟むことで、AI剤の感受性が回復する可能性があるとした。