原発乳癌でRANKの発現が高いことは、無再発生存(RFS)の悪化、骨転移に進展するリスクが高い可能性が明らかとなった。またRANKの発現はエストロゲン受容体(ER)陰性、基底膜細胞型(basal-like)乳癌で有意に高いことも分かった。術前補助化学療法のISPY-1試験と公的にアクセスできるM. D. Anderson Cancer Center (MDACC)のデータで調べられた。成果は9月13日から15日に米サンフランシスコで開催されているBreast Cancer Symposium 2012(ASCO Breast2012)で、米University of CaliforniaのJiali Li氏によって発表された。

 ISPY-1試験は、コアバイオプシー検体でマイクロアレイによるデータが得られた149人の患者を対象にACレジメンを4サイクル行い、その後タキサン系抗癌剤を投与して、手術を行ったもの。

 サンプルを解析したところ、エストロゲン受容体陽性患者のものと比べて陰性患者で有意(p=0.04)にRANKの発現が高かった。さらにbasal-like乳癌でHER2乳癌に比べてRANKの発現が有意に高かった(p=0.04)。MDACCのデータでも、ER陰性患者(170人)の方が陽性患者(254人)に比べてRANKの発現が有意に高く(p=0.000185)、Basal-like乳癌患者(181人)の方がbasal-like以外の乳癌患者(274人)と比べて有意に高かった(p=1.999e-07)。

 ISPY-1試験の結果、RANK発現が高い患者(94人)の方が低い患者(55人)に比べて、RFSが有意(p=0.04)に悪かった。MDACCのデータでもRANK発現が高い患者の方が低い患者に比べて、RFSが有意(p=0.017)に悪かった。また主要な転移が骨の患者は、RFSの患者(p=0.02)、主要な転移が骨以外の患者(p=0.05)と比べて有意にRANKの発現が高かった。ホルモン受容体が陰性の患者、陽性の患者(p=0.004)、Basal-like乳癌患者、basal-like以外の乳癌患者(p=0.002)のいずれの場合も、RANKの発現が高い場合に骨転移のリスクが高かった。