21の遺伝子の発現を調べることで計算されるリスクスコアは、術後化学内分泌療法を受けたリンパ節転移陽性、エストロゲン受容体陽性乳癌の再発、死亡のリスクを有意に予測できることが明らかとなった。また、リスクの予測は、治療方法、年齢、腫瘍径、リンパ節転移の数、手術の型、HER2陰性/不明の患者によらず、すべてのサブセットで有効だった。大規模無作為化臨床試験NSABP B-28試験のうち、術後化学内分泌療法を受けたリンパ節転移陽性、エストロゲン受容体陽性乳癌について解析した結果明らかとなったもの。9月13日から15日に米サンフランシスコで開催されているBreast Cancer Symposium 2012(ASCO Breast2012)で、米Aultman Health FoundationのMamounas EP氏によって発表された。

 NSABP B-28試験は3060人のリンパ節転移陽性患者で、術後補助化学療法としてAC療法を行った群、AC→パクリタキセル療法を行った群を比較した。5年時点でAC→パクリタキセル療法群が無病生存(DFS)イベントのリスクを17%低減させたが、全生存(OS)の改善では有意な差がなかった。

 今回の研究は、3060人のうちエストロゲン受容体陽性でタモキシフェンの投薬を受け、21遺伝子リスクスコアアッセイで調べることができた患者(AC群519人、AC→パクリタキセル療法群546人)についてDFS、無遠隔再発期間(DRFI)、OS、乳癌特異的生存(BCSS)を評価したもの。観察期間中央値は11.2年だった。

 リスク評価の結果、高リスクは30%、中間リスクが34%、低リスクが36%だった。年齢と腫瘍径はリスクスコアの間で有意に差があり、高齢で腫瘍が小さい患者は低リスク群に判定されやすかった。

 10年DFSは高リスク群で48.0%、中間リスク群で57.0%、低リスク群で75.8%、10年DRFIは高リスク群で55.8%、中間リスク群で64.9%、低リスク群で80.9%、10年OSは高リスク群で63.0%、中間リスク群で74.7%、低リスク群で90.0%、10年BCSSは高リスク群で68.2%、中間リスク群で78.9%、低リスク群で95.0%だった。

 リンパ節転移の数が1から3個の群では、10年DFSは高リスク群で57.0%、中間リスク群で64.8%、低リスク群で79.8%、10年DRFIは高リスク群で63.1%、中間リスク群で71.5%、低リスク群で84.7%だった。リンパ節転移の数が4個以上の群では、10年DFSは高リスク群で31.1%、中間リスク群で40.3%、低リスク群で66.7%、10年DRFIは高リスク群で41.3%、中間リスク群で50.7%、低リスク群で71.8%だった。

 リンパ節転移の数が1から3個の群では、10年OSは高リスク群で70.7%、中間リスク群で79.2%、低リスク群で93.3%、10年BCSSは高リスク群で75.6%、中間リスク群で82.9%、低リスク群で98.0%だった。リンパ節転移の数が4個以上の群では、10年OSは高リスク群で48.5%、中間リスク群で65.2%、低リスク群で82.4%、10年BCSSは高リスク群で54.0%、中間リスク群で70.3%、低リスク群で88.1%だった。

 リンパ節転移個数と同様に、術後化学療法の種類、年齢、手術の型、HER2陰性/不明でも10年DFS、DRFI、OS、BCSSはリスクによって差がついていた。