手術かつ/または放射線治療を受けた3期の非小細胞肺癌患者に予防的頭蓋照射PCI)を行うことで、脳転移を起こすリスクが低減できることが明らかとなった。しかしPCIによる全生存(OS)率の改善は示されなかった。PCIが局所進行NSCLCの生存を改善するかどうかを検証するフェーズ3試験、RTOG0214の5年間データアップデートの結果、判明したもの。成果は9月6日から8日に米国シカゴで開催された2012Chicago Multidiciplinary Symposium in Thoracic Oncologyで、米Medical College of WisconsinのE.M.Gore氏によって発表された。

 胸部以外に進展していない非小細胞肺癌患者では、原発巣による治療を受けた後、脳転移が高率に発生することが知られている。

 研究グループは、16週以内に手術かつ/または放射線治療を受けた患者(化学療法を受けた患者、受けていない患者を含む)で、病状が進行していない3期NSCLC患者を対象に、病期(3A期、3B期)、組織(扁平上皮癌、非扁平上皮癌)、手術の有無で層別化したうえで、PCIを受ける群(2Gyづつで全体で30Gy)と観察群に無作為に割り付けた。主要評価項目はOS、副次評価項目は無病生存(DFS)、中枢系への転移発生率、神経心理学的機能、QOLだった。

 2001年9月19人から2007年8月30日までに356人の患者が登録され、340人(PCI群163人、観察群177人)が評価対象だった。全患者の観察期間中央値24.2カ月、生存患者の観察期間中央値58.6カ月で、5年OS率は、PCI群が26.1%、観察群が24.6%、死亡イベント数はPCI群が117、観察群が130で、ハザード比1.07、p=0.57で有意な差はなかった。5年DFS率も、PCI群が18.5%、観察群が14.9%、イベント数はPCI群が130、観察群が149で、ハザード比1.20、p=0.13で有意な差はなかった。しかし脳転移を起こした患者はPCI群が19人、観察群は39人でハザード比2.05(95%信頼区間:1.19-3.55)、p=0.009で有意にPCI群で少なかった。5年脳転移発生率はPCI群は17.3%、観察群は26.8%だった。脳転移が最初の転移として出現するのはPCI群では10%、観察群では23%だった。

 多変量解析の結果、PCIは脳転移の減少に有意に関連し、非扁平上皮癌は脳転移のリスク上昇に関連していた。

 研究グループは、どういった患者でPCIによる生存改善リスクが得られるかについては、より多くの情報が必要だとした。