既治療の局所進行または転移を有する非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)患者に、ドセタキセルと抗ホスファチジルセリン抗体製剤bavituximabの併用が有効である可能性が明らかとなった。無作為化二重盲検プラセボ対照フェーズ2試験の中間解析の結果示されたもの。9月6日から8日に米国シカゴで開催された2012Chicago Multidiciplinary Symposium in Thoracic Oncologyで、米University of Texas Southwestern Medical CenterのD.E.Gerber氏によって発表された。

 ホスファチジルセリンは正常細胞では細胞内に存在するが、腫瘍周辺の新生血管の内表面を覆う細胞では、細胞表面に露出している。bavituximabは細胞表面のホスファチジルセリンに結合し、抗腫瘍免疫を誘導し腫瘍血管を阻害すると期待されている。

 フェーズ2試験は、21日おきにドセタキセル75mg/m2と毎週プラセボを投与する群(40人、プラセボ群)、21日おきにドセタキセル75mg/m2と毎週bavituximab 1mg/kgを投与する群(40人、bavituximab 1mg/kg群)、21日おきにドセタキセル75mg/m2、と毎週bavituximab 3mg/kgを投与する群(41人、bavituximab 3mg/kg群)に分け、それぞれ6サイクルまで投与した。その後は維持療法として、プラセボ群は毎週プラセボを、bavituximab 1mg/kg群は毎週bavituximab 1mg/kgを、bavituximab 3mg/kg群は毎週bavituximab 3mg/kgを、増悪(PD)となるまで投与する。主要評価項目は奏効率で、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性、奏効期間。121人(2010年10月から2011年10月までに登録)の患者背景に有意な差はなかった。

 試験の結果、117人が評価可能で、プラセボ群の奏効率は7.9%、bavituximab 1mg/kg群は15.0%(p=0.3262)、bavituximab 3mg/kg群は17.9%(p=0.1895)、bavituximabの2群を合わせると16.5%(p=0.2069)だった。

 PFS中央値はラセボ群3.0カ月、bavituximab 1mg/kg群4.2カ月(ハザード比0.571、p=0.0794)、bavituximab 3mg/kg群4.5カ月(ハザード比0.65、p=0.1921)、bavituximabの2群を合わせると4.2カ月(ハザード比0.605、p=0.067)だった。

 プラセボ群のOS中央値は5.6カ月、bavituximab 1mg/kg群11.1カ月(ハザード比0.512、p=0.0286)、bavituximab 3mg/kg群13.1カ月(ハザード比0.539、p=0.0714)、bavituximabの2群を合わせると12.1カ月(ハザード比0.524、p=0.0154)だった。

 奏効率、PFS、OSのいずれもでbavituximab群で良好な傾向が認められた。

 bavituximabとドセタキセルの併用は十分に忍容性があり、プラセボ群と比べて安全性の差は見いだされなかった。