米食品医薬品局(FDA)は8月29日、結節性硬化症(TSC)に伴って発生する上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)の治療薬として、エベロリムスの小児用製剤「アフィニトール小児用分散錠」(2mg、同3mg、5mg)を承認したと発表した。今回の承認は、小児腫瘍の治療薬として開発された小児用製剤では初めての承認となる。

 TSCは希少な遺伝性疾患で、脳や腎臓などの重要な臓器に腫瘍が発生する。SEGAは緩徐に増殖し、脳脊髄液の流れを遮断することで致命的な合併症を引き起こす可能性がある。TSCは小児の6%、若年成人の9%に認められる。

 エベロリムスは、TSC患者に発生するSEGAの発生や増殖に重要な役割を担うmTORキナーゼの活性を阻害する。
 
 同分散錠が推奨されるのは、TSCに伴うSEGAと診断され、手術では治療できない1歳以上の小児。今回の承認まで、エベロリムスは3歳以上の小児に推奨されていた。エベロリムスは、TSCに伴うSEGAの治療薬として2010年に迅速承認されている。

 同分散錠の承認により、成人用製剤と比べて少量の増量が可能となり、また少量の水に溶解しやすいため、既存の錠剤では嚥下が困難な患者にも投与が容易になる。

 製造元のスイスNovartis Pharma社は、2010年の迅速承認の根拠となったTSCに伴うSEGAの小児と成人の患者28人を対象とする単群試験について、安全性と有効性の最新データを発表している。また同社は、小児と成人の患者117人をエベロリムスまたはプラセボを1日1回投与する群に無作為に割付けた、新たな臨床試験の情報も提供した。この試験で腫瘍の縮小が認められたのは、プラセボを投与した群で0%だったのに対し、エベロリムスを投与した群では35%となった。副作用として、SEGA患者では口内炎と気道感染が多く観察された。

 TSCに伴うSEGAの治療薬としてエベロリムスは迅速承認下にあり、小児と成人の患者における長期的な安全性と有効性をさらに評価する臨床試験が進行中である。「アフィニトール小児用分散錠」はオーファンドラッグに指定され、FDAの優先審査の対象となっていた。