米Seattle Genetics社は、2012年8月24日、進行した転移性の腎細胞癌で腫瘍組織にCD70の発現が確認されている患者に、同社の抗体-薬物複合体(ADC:antibody-drug conjugate)であるSGN-75と、mTOR阻害薬のエベロリムス(商品名「アフィニトール」)を投与するフェーズIb試験を開始したと発表した。

 オープンラベルの用量漸増フェーズIbは、米国内の複数の施設で、チロシンキナーゼ阻害薬投与歴のある患者を最高40人登録する予定だ。目的は、SGN-75とエベロリムスを併用した場合の安全性と抗癌活性の評価にあり、主要エンドポイントは安全性に、2次エンドポイントは、最良臨床反応、無増悪生存期間、全生存期間に設定されている。

 SGN-75は、CD70を標的とするヒト化モノクローナル抗体と、強力な細胞障害作用を持つ合成薬モノメチルアウリスタチンF(MMAF)を結合した抗体-薬物複合体。CD70は、腎細胞癌、膵臓癌、卵巣癌、肺癌などのさまざまな固形癌と、多発性骨髄腫や非ホジキンリンパ腫に発現していることが知られている。正常組織での発現は限定されているため、癌治療の標的として有望視されている。

 前臨床試験では、CD70陽性の腎細胞癌モデルと血液癌モデルに対するSGN-75の有効性が示されている。既に、転移性腎細胞癌、または再発性もしくは難治性の非ホジキンリンパ腫の患者に単剤投与するフェーズI試験は完了、有望な結果が得られたという。エベロリムスを含むmTOR阻害薬とSGN-75を併用した場合の相乗効果も前臨床試験において示されている。