米ARIAD Pharmaceuticals社は、2012年8月20日、BCR-ABL阻害薬のponatinibを治療歴のある慢性骨髄性白血病(CML)患者に投与する多施設フェーズ1/2試験を日本で開始したと発表した。

 対象となるのは、チロシンキナーゼ阻害薬(ダサチニブまたはニロチニブ)に耐性または不忍容を示した慢性骨髄性白血病(CML)患者、もしくは、フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)でチロシンキナーゼ阻害剤が奏効しなかった患者。

 フェーズ1部分は用量漸増試験として行われる。12人以上の患者を登録して2等分し、30mgまたは45mgの用量に割り付けて1日1回経口投与する設計になっており、既に最初の患者への投与が始まっている。目的は、日本人の患者に適した用量を決定し、安全性を評価することにあり、それらが終わった時点でフェーズ2部分が開始される見込みだ。

 シングルアームのフェーズ2は、オープンラベルで行われる。開始は2013年第1四半期の予定で、25人の成人患者を追加登録する計画だ。

 フェーズ2の主要評価指標は、慢性期のCML患者では細胞遺伝学的寛解(MCyR)に、急性期のCML患者とPh+ ALL患者では血液学的寛解(MHR:血液学的完全寛解または白血病の徴候なし)に設定されており、2次評価指標は分子遺伝学的寛解(MMR)、寛解達成までの時間、寛解が維持できた期間、無増悪生存期間、全生存期間となっている。

 ponatinibは、CMLやPh+ ALLの細胞に発現している異常なチロシンキナーゼであるBCR-ABLを主な標的とし、チロシンキナーゼ阻害薬に対する耐性を付与するT315Iのような変異が生じたBCR-ABLにも強力に作用する。また、FLT3、RET、KITなどのチロシンキナーゼや、線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)や血小板由来成長因子受容体(PDGFR)ファミリーに属するキナーゼなども選択的に阻害する。

 ARIAD社は2012年7月末に、ponatinibに関する承認申請を米食品医薬品局(FDA)に提出した。同社は優先審査と迅速承認の適用をFDAに求めており、承認申請にはローリング審査が適用される。

 ponatinibの申請と日を同じくして、診断薬領域で同社のパートナーになっている米Molecular MD社が、FDAにコンパニオン診断薬の承認を申請した。これはBCR-ABLにT315I変異を有するCMLまたはPh+ ALLの患者を同定するための検査だ。

 ARIAD社は欧州でも、ponatinibに関する同様の承認申請をこの四半期のうちに提出する計画だ。