骨転移のある乳癌患者にデノスマブまたはゾレドロン酸を投与して、骨関連イベントなどの発生を比較したスペインGregorio Maranon総合病院のMiguel Martin氏らは、デノスマブにはゾレドロン酸を超える利益があることを明らかにした。フェーズ3試験の詳細は、Clinical Cancer Research誌上で2012年8月14日に報告された。

 乳癌の骨転移は、高カルシウム血症、骨折、脊髄神経の圧迫などを引き起こす。それらの発現を遅らせるために、ゾレドロン酸のようなビスホスホネート剤が用いられているが、インフルエンザ様症候群などの急性期反応や腎毒性といった有害事象が生じる可能性がある。

 デノスマブの作用はゾレドロン酸に比べ特異的であるため、これらの有害事象のリスクは低く、代替として有望と考えられていた。

 Martin氏らは、骨転移のある乳癌患者2046人を登録し、無作為に、デノスマブ皮下注+偽薬静注、または、偽薬皮下+ゾレドロン酸静注のいずれかに割り付けて追跡した。骨関連イベントを経験した患者は、デノスマブ群の31%とゾレドロン酸群の36%だった。また、デノスマブ群には、複数の骨関連イベントが報告された患者はいなかった。

 デノスマブは放射線治療の必要性を26%低下させ、骨関連イベント/高カルシウム血症のリスクを18%低減した。QOLの改善も見られた。加えて、急性期反応や腎機能障害は、デノスマブ群に比べゾレドロン酸群の患者に多かった。

 得られた結果は、デノスマブがゾレドロン酸に優る効果を持つことを示すエビデンスを追加し、ゾレドロン酸に代わる選択肢として有望であることを明らかにした。

 デノスマブは、骨の微小環境を制御する作用と、乳癌細胞の増殖を抑制する作用を持つことから、早期乳癌患者に対する予防的補助療法としての有効性と安全性を評価する研究も現在進行中だ。